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被爆後 折り続けた鶴を金属像に キャステム、平和願い贈る計画

キャステムに託された禎子さんの折り鶴。左側が枕元にあった最後の鶴
キャステムに託された禎子さんの折り鶴。左側が枕元にあった最後の鶴
雅弘さん(左)から折り鶴を受け取る戸田社長
雅弘さん(左)から折り鶴を受け取る戸田社長
 広島市で被爆後、病床で鶴を折り続け、平和記念公園(同市)の「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さん(1943~55年)が残した折り鶴の金属像を精密部品製造キャステム(福山市御幸町中津原)が作る。「SADAKO」と名付け、平和の願いを世界に届けることを目指す。19日、同社を訪ねた遺族から、像のもととなる折り鶴を受け取った。

 金属像にするのは、禎子さんの兄雅弘さん(79)=福岡県=が持つ2羽のうち、禎子さんが亡くなった際、枕元にあった最後の1羽。羽を広げた幅が約1・5センチと小さく、針を使って包装紙で折り上げたという。

 禎子さんの鶴はもともと1600羽ほどあったが、現存するのは、遺族と広島平和記念資料館(広島市)などが持つ約120羽。傷みも年々進んでいる。地域貢献を掲げるキャステムが昨年12月、同社の技術を生かし金属像にすることを雅弘さんに提案した。

 同社では折り鶴を3Dスキャナーでデータ化し精密に金属像にする。材質はステンレスを軸に検討し、大きさは原寸大など用途に合わせて変えるという。

 19日、雅弘さんから折り鶴2羽を託された戸田拓夫社長(64)は「鶴にこもった思いを手に取って感じてもらえるものにしたい」と伝え、雅弘さんは「禎子の願いを形にして永遠に残してくれることに感謝します」と話した。

 完成品の第1号は、雅弘さんらの希望で、米大統領として平和記念公園を訪れたオバマ氏に贈り、その後、世界中の博物館にも寄贈する計画。キーホルダーやアクセサリーなどにして販売し、売り上げの一部は平和活動に寄付するという。

(2021年01月19日 21時01分 更新)

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