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行列を無視して割り込んでくる…

 行列を無視して割り込んでくる「ナラバンゾウ」、話を聞かない「キキナガスクジラ」、寝ていないことをやたら自慢する「フミンミンゼミ」▼さまざまな迷惑行為を架空の生物に見立ててイラストにした児童書「カサうしろに振るやつ絶滅しろ!」(小学館)は、いなくなってほしい迷惑生物を“絶滅希望種”として紹介する。「自分も気付かないうちに誰かに迷惑をかけているかもしれない」。周囲へ想像力を働かせる大切さも呼び掛ける内容だ▼こちらも本に出てくる「ポイステゴサウルス」の仕業だろう。使ったマスクのポイ捨てだ。昨年来、川や道端に捨てられているのを度々目にする。使ったままの形で落ちているものもある。申し訳ないが、どうにも近寄りがたい▼新型コロナウイルスから人類を守るマスクが野生動物に死をもたらす脅威になりつつある―。こんなニュースを先日、AFP通信のウェブサイトで知った。きちんと捨てられなかった大量のマスクが鳥や海洋生物などに絡まりついているという▼環境保護団体によると、昨年、海に流れ込んだマスクは推定15億枚以上に上る。不織布のマスクは自然界では分解されにくく、適切に廃棄することが欠かせない▼「自分がポイ捨てしたマスクはどうなるのか」。想像力を欠いた迷惑生物こそ、絶滅希望種の名にふさわしい。

(2021年01月15日 08時00分 更新)

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