山陽新聞デジタル|さんデジ

「習いごと里親」事業が好調 養護施設の児童らの可能性広げる

習字の練習をする新天地育児院の子どもたち
習字の練習をする新天地育児院の子どもたち
 児童養護施設・新天地育児院(岡山市中区門田本町)が独自に行っている「習いごと里親」事業が好調だ。入所する児童らの習い事にかかる費用を市民に援助してもらおうと2018年12月から始め、岡山県内の約30の個人・企業が“里親”として登録。半数を超える子どもたちがピアノや水泳、習字などに打ち込んでおり、学ぶ意欲の向上や社会性の習得に一役買っている。

 「次は何書く?」「この漢字は得意なんだ」

 昨年12月中旬、新天地育児院内の一室。小学5、6年の女児2人が並んで机に向かい、半紙に筆を走らせていた。

 2人は月に数回、市内の習字教室に通っている。5年女児(11)は「たくさん練習して上達したい」と意欲を示し、6年女児(12)は「学校で自分だけ習い事をしていないのが嫌だった。他校の友達もできてうれしい」と話す。

 同院によると、児童養護施設には毎月、子どもの生活費などとして国と自治体から「措置費」が支給されるが、習い事の費用は含まれていない。3歳から高校3年まで28人が入所する同院では、数年前から施設の負担で一部の子どもを習い事に通わせていたが、希望者が増えてきたため、習い事に限定した里親の事業を思い立った。

 習いごと里親は月謝として任意の金額を寄付した個人・団体に対し、成果を披露する交流会などに招いて成長を見守ってもらう仕組みで、15人が習字や空手、体操などを習う。普段の勉強への意欲が高まるなど成長につながっているという。

 龍尾和幸副院長は「子ども同士が刺激し合って、物事に積極的に挑戦する好循環が生まれている。施設以外の人との交流も貴重な経験になっている」と成果を挙げ、「子どもの可能性を広げるため、さらなる支援をお願いしたい」と呼び掛けている。

 問い合わせは同院(086―272―1353)。

(2021年01月12日 09時32分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ