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「棋道正師範」に倉敷の北村さん 将棋の最高指導員 全国に4人のみ

大山名人のレリーフを前に思い出を話す北村さん=倉敷市大山名人記念館
大山名人のレリーフを前に思い出を話す北村さん=倉敷市大山名人記念館
棋道正師範に委嘱された北村さん
棋道正師範に委嘱された北村さん
 倉敷市大山名人記念館の北村実館長(87)=同市=が、日本将棋連盟から公認指導員の最上位資格「棋道正師範」の委嘱を受けた。同郷の故大山康晴15世名人に導かれ、普及に取り組んで半世紀。全国でも4人のみの栄誉に「名人の存在あっての自分。遺志を継ぎ、将棋の楽しさを一人でも多くの人に伝えたい」と相好を崩す。

 岡山県内の主要な将棋大会の会場には、いつも北村さんの姿がある。仲間と一緒に机や椅子を並べて準備し、参加者の顔ぶれを見ては対局の組み合わせを決める。「棋楽人」のペンネームで新聞連載する観戦記も人気だ。記念館で開く子ども教室には、少年時代の菅井竜也八段(28)=岡山市=も通った。

 普及を志したのは、故大山康晴15世名人(倉敷市出身)との出会いがきっかけだ。30歳の頃に出場したアマチュア大会で、審判長を務めた名人が、会場でたばこの吸い殻などを率先して片付けていた。その姿に感銘を受けた。

 自分の勝負以上に普及を大切にする名人の人柄に触れ、裏方として働くようになった。「帰郷の度に声を掛けてくださり、本当にかわいがってもらった」。女性将棋の公式タイトル・大山名人杯倉敷藤花戦、全国小学生倉敷王将戦の創設にも尽力し、倉敷は“将棋の聖地”として知られるようになった。

 棋道正師範は「将棋の日」(11月17日)にちなみ、2020年11月に新設された。委嘱されるのは「大山康晴賞」の受賞などの条件を満たし、さらに「顕著な活動実績」がある人だけ。普及を極めた証しともいえる資格だ。

 「一人のプロを育てるより、人間性豊かな将棋好きを増やしたい」と語る北村さん。コロナ禍の本年度は子ども教室も倉敷王将戦も休止し、影響を心配する。「こんな時だからこそ、将棋のために何ができるか、もう一度考えて行動したい」

(2021年01月11日 09時32分 更新)

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