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要配慮者の避難計画作りに役立てて 河川事務所が支援動画を制作中

「要配慮者版マイ・タイムライン」作成の支援動画の撮影に臨む岡田さん(中央奥)らオイボッケシのメンバー
「要配慮者版マイ・タイムライン」作成の支援動画の撮影に臨む岡田さん(中央奥)らオイボッケシのメンバー
 西日本豪雨を教訓に、自力での避難が難しい高齢者や障害者の個別避難計画「要配慮者版マイ・タイムライン」作りに役立ててもらおうと、国土交通省高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所(倉敷市真備町箭田)が、作成支援動画の制作を進めている。老いと演劇をテーマに岡山県内で活動する劇団「OiBokkeShi(オイボッケシ)」に脚本や出演を依頼。親しみやすい内容に仕上げ、ホームページ(HP)などで公開する予定。

 豪雨時、自衛隊のボートで自宅2階から救出された独り暮らしの高齢男性宅に、近所に住む息子や住民、民生委員、ケアマネが訪れ、個別避難計画の作成を促すストーリー。他人に迷惑を掛けまいと自宅での垂直避難を主張する高齢男性が、住民らから温かい言葉を掛けられて次第に安心感を抱き、避難所などに逃げる計画を受け入れる過程を描いた。

 劇団メンバー7人が昨年末、倉敷市芸文館(同市中央)で撮影に臨んだ。高齢男性役を務めた看板俳優の岡田忠雄さん(94)=岡山市=は「両親や祖父母ら大切な人の避難を考えるきっかけになれば」と独特な間合いの演技を見せ、脚本や演出を担当した主宰の菅原直樹さん(37)=奈義町=は「要配慮者の避難支援は超高齢社会の日本にとって身近なテーマ。風通しの良い地域づくりにつながれば」と取り組みの広がりに期待する。

 動画は約15分。2月中に同事務所のHPで公開するほか、DVDを無料配布する予定。

 2018年の豪雨で被災した倉敷市真備町地区では、高齢者を中心に51人(災害関連死除く)が亡くなった。同事務所は「逃げ遅れゼロ」を目指し、地元のまちづくりや福祉団体などと連携して要配慮者版マイ・タイムラインの記入シートや作成のヒント集を作ってきた。今回も動画を通じて当事者や家族、近隣住民らに備えの重要性を訴えていく。

 桝谷有吾所長は「真備を中心に計画作りが進んでいるが、方法が分からないという声をよく聞く。参考にしてほしい」と話している。

(2021年01月06日 13時34分 更新)

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