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まだ現役です 白ポスト 有害図書回収、青少年育成に一役

白ポストから成人向けDVDを回収する玉野市の少年警察協助員=11月20日夜、JR八浜駅(画像の一部を加工しています)
白ポストから成人向けDVDを回収する玉野市の少年警察協助員=11月20日夜、JR八浜駅(画像の一部を加工しています)
 成人向け雑誌、DVDなどを回収する通称「白ポスト」。インターネットで動画や写真が見られる時代になっても、玉野市で稼働する29基には昨年だけで約2700点が投入され、まだまだ現役だ。ボランティアの少年警察協助員が、毎月の回収だけでなく維持管理も手掛け、青少年の健全育成に一役買っている。

「入っている、入っている」


 11月20日午後7時すぎのJR宇野線八浜駅。高校生が電車を待つホームの外側に白ポストはある。協助員が鍵を開けると、出てきたのは女性のヌード写真やひわいな言葉が躍るパッケージに収まったDVDばかり実に280点。手早く枚数を数え、黒いごみ袋に入れた。

 この日回収したのは市北西部の荘内、八浜地区10カ所で計459点。45リットル袋で4袋になった。10月は340点。長崎照一・荘内班長(63)は「近くの土手に大量に捨てられているのを見ることもある。家庭ごみで出されると、子どもの目に触れ、家に持ち帰られる恐れもある」と説明する。

駅やコンビニ 



 玉野市の白ポストは、全国高校総体の自転車競技が行われた1977年、有害環境浄化の一環で設置されたのが始まり。列車や船で読んだ後、路上などに捨てられるのを防ごうと、当初は駅やフェリー乗り場に設置し、その後、スーパーやコンビニに拡大してきた。

 玉野署などによると、回収数は2012年の7千点超から減少傾向にあったが、今年は10月までに約2900点と昨年を上回る。内訳はDVDが3~5割、書籍4~6割、ビデオ1割。漫画雑誌や週刊誌が入ることもあるという。

 長年活動を先導する県警少年警察栄誉協助員の相賀一夫さん(72)は「同じ人がまとめて入れたと思われるケースが多い。処分に困り自宅から持ち込むのだろう」と話す。

移設、補修も



 市内の協助員約40人は8班に分かれ、毎月20日前後に回収。玉野署でまとめ、市の清掃センターで処分する。

 投入数が減れば、協助員が新たな候補地を探し、土地所有者と交渉も行う。平成の大合併に伴い、警察署の管轄が変わった旧灘崎町から撤収する際は「防犯面で役立つ。そのまま置いてほしい」と懇願する店もあったという。

 屋外で風雨にさらされ、さびたりペンキが剥がれたりと傷みやすい白ポスト。「ぼろぼろだと、使われていないと思われる」。補強の鉄板を溶接したり、ペンキを塗り直したりと、鉄工所経営の相賀さんが一手に補修を引き受けるのも心強い。

 玉野署の庄司康志生活安全課長は「白ポストの維持管理は大変。協助員の熱意が活動を支えている」と話す。

 同署管内少年警察協助員連絡協議会の渚左月会長(68)は「白ポストの存在を知ってもらい、有効活用して青少年の健全育成につなげたい」と力を込める。

(2020年12月07日 09時38分 更新)

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