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競技用車いす専用ケースを開発 岡山空港整備士ら、破損なく輸送

競技用車いすを収納する専用ケース。航空機に載せ、目的地まで安全に運ぶ
競技用車いすを収納する専用ケース。航空機に載せ、目的地まで安全に運ぶ
 「レーサー」と呼ばれる競技用車いすがすっぽり収まるケース。航空機に積み、他の荷物がレーサーに直接当たることなく安全に目的地まで輸送する。岡山桃太郎空港(岡山市北区日応寺)に勤務する整備士らが発案。来年の東京パラリンピックに向け、岡山を拠点に練習に打ち込む選手のストレス軽減に役立っている。

 楽器などを運ぶときに使う厚いプラスチックが素材で、大きさは選手によって異なり、おおむね長さが190センチ、幅と高さはいずれも75センチ。緩衝材も入れて3輪を固定する。

 100分の1秒を争う車いす陸上。レーサーは少しでもスピードが出るよう、素材や形状が工夫されている。これまでは緩衝材で包んで岡山―東京線などの便に積んでいたが、選手から「他の荷物が当たって破損する恐れがあり、不安だ。斜めに置かれると後輪の片側に過度の重さがかかり、タイムに影響することがある」といった声が出ていた。

 そこで、日本航空グループの整備士の今田裕治さん(49)と、空港業務を手掛ける両備ホールディングス(岡山市)の社員らがプロジェクトチームを立ち上げ、専用ケースの開発に着手。外注に頼らず自分たちで設計し、1枚のプラスチックボードを切ったり、つなぎ合わせたりして2月に完成させた。

 現在は主に、グロップサンセリテWORLD―AC(同市)所属の監督、選手が活用。パラリンピック4大会連続出場を目指す松永仁志さん(48)は「現地に着いて破損がないかを確認するのが習慣だった。その手間を省き、すぐに乗れるのはとてもありがたい」と歓迎。今田さんは「岡山を代表する選手に安心して搭乗いただき、良い成績を収められるよう応援したい」と話している。

(2020年11月28日 20時03分 更新)

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