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差別や偏見のない社会構築へ決意 長島愛生園で90周年記念式典

偏見や差別のない社会の実現を誓った長島愛生園の創立90周年記念式典
偏見や差別のない社会の実現を誓った長島愛生園の創立90周年記念式典
 国立ハンセン病療養所・長島愛生園(瀬戸内市邑久町虫明)は20日、開園から90年を迎え、園内の愛生会館で記念式典を開いた。入所者や職員、関係者ら約60人が、国の隔離政策が及ぼした人権侵害などの歴史を後世に伝え、偏見や差別のない社会を構築しようと決意を新たにした。

 山本典良園長が「古里の家族と引き離された入所者の悲劇を繰り返さないためにも、園内に残る建造物を残して歴史を語り継ごう」と式辞。入所者自治会の中尾伸治会長は「ハンセン病の歴史や差別問題を学べる場として長島を末永く活用してほしい。90年の歴史が、この島で生活した全ての人々にとって決して無駄ではなかったと思えるよう心から願う」とあいさつした。

 山陽学園中・高(岡山市中区門田屋敷)、盈進中高(福山市千田町千田)など、入所者と長年交流してきた学校やボランティア団体、宗教法人の代表者ら16人に感謝状が贈られた。入所者と親交があるシンガー・ソングライター沢知恵さん=岡山市在住=のピアノコンサートもあった。

 長島愛生園は1930年11月20日、日本初の国立ハンセン病療養所として設立。入所者は43年のピーク時に2021人に上ったが、現在は130人で、平均年齢は86・94歳と高齢化が進んでいる。2017年11月には隣接の邑久光明園や地元の瀬戸内市などと共に療養所の世界遺産登録を目指すNPO法人をつくり、記録文書や建造物の保存活動に取り組んでいる。

(2020年11月20日 21時24分 更新)

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