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造山古墳で埴輪列を初確認 テラス部から出土 岡山市教委調査

1段目のテラス部から出土した埴輪列。円筒埴輪5本の底部が並ぶ
1段目のテラス部から出土した埴輪列。円筒埴輪5本の底部が並ぶ
造山古墳で埴輪列を初確認 テラス部から出土 岡山市教委調査
造山古墳で埴輪列を初確認 テラス部から出土 岡山市教委調査
 岡山市教委が発掘調査を進める全国第4位の前方後円墳・造山古墳(国史跡、同市北区新庄下)で2日までに、埴輪(はにわ)列が初めて確認された。3段築造の墳丘の1、2段目のテラス部(平たん面)から、円筒埴輪の底部が並んで出土。全長約350メートルの墳丘全体を巡っていたとみられ、古代吉備の王が眠る巨大古墳の「真の姿を明らかにする大きな一歩」(市教委)という。

 円筒埴輪は聖域を区画する役割があったとされ、墳丘を囲むように置かれる例が多い。今回は、後円部北西側に設けた試掘溝2カ所から見つかった。1段目のテラス部では、直径30センチ台の円筒形の底部(残存高約5~20センチ)5本が、築造当時の状態で整然と並んでいた。

 2段目のテラス部からは4本の底部が出土。1本は隣との間隔が広いことから「朝顔形や蓋(きぬがさ)形など、上部に飾りを持つ埴輪だった可能性もある」(寒川史也・同市教委文化財課主任)という。1、2段目両方で確認されたことで、3段すべてに埴輪列が巡っていた可能性も高まった。

 また埴輪の型式の分析が進み、5世紀前半とされる築造時期がより詳細に判明することも期待される。草原孝典文化財課長は「古墳の格を考える上でテラス部の埴輪列の有無は重要で、造山古墳の価値が改めて裏付けられた。同時に、築造当時の姿が残っていることも意味し、将来的な復元に向けた大きな手掛かりになる」と話している。

 堺市の大山(だいせん)古墳(伝仁徳陵)など全国第1~3位の前方後円墳は宮内庁が陵墓として管理し、造山古墳は墳丘に立ち入れる古墳としては最大。本年度の調査は12月上旬までを予定している。

 澤田秀実・作陽短大准教授(考古学)の話 埴輪列の存在は予測されていたが、実際に発見した意義は大きい。例えば埴輪の置かれた間隔から全体の本数が予想でき、関わった人数、被葬者の権力規模などの推測も成り立つ。陵墓級の大きさを誇る造山古墳の調査は、発掘が不可能な他の大型古墳の研究の進展につながる可能性があり、さらなる成果を期待したい。

(2020年11月03日 07時29分 更新)

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