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スナメリの標本40年ぶり展示 玉野海博、環境考える契機に

玉野海洋博物館が公開しているスナメリの標本
玉野海洋博物館が公開しているスナメリの標本
 玉野海洋博物館(玉野市渋川)は、小型鯨類・スナメリの標本展示を始めた。少なくとも40年ぶりの再開。豊かな海の象徴とされ、かつては同市沖はじめ県内各地の沿岸で頻繁に見られたが、平成以降は目撃情報が限られる。県内では飼育されておらず、完全な標本の公開も珍しいといい、瀬戸内海の環境保護を訴える資料として活用する。

 標本は体長約85センチで生後1年ほどの子どもとみられる。製作時期は不明で、少なくとも40年前からは非公開として館内で保管。ホルマリン漬けで保存状態が良く、瀬戸内海での環境保護の観点からスナメリへの注目が高まっている状況を鑑みて、8月下旬から公開している。

 ホルマリン漬けといえば少し怖いイメージもあるが、実際には背びれがなくのっぺりした姿は愛らしく、足を止める入館者も多い。岡山市立保育園の男児(4)は「初めて見た。白くてかわいい」と話す。

 瀬戸内海のスナメリは、埋め立てや海の栄養不足ですみかや餌が少なくなり、個体数が減っているとされるが、実態はよく分かっていない。県内では近年、瀬戸内市の前島付近での目撃にとどまる。

 同館は今後、スナメリを取り巻く現状を紹介する説明板を設置する予定。海事研修などでも活用する。

 岡秀彦館長は「瀬戸内海の食物連鎖の頂点に立つ生き物で、海の豊かさを測る指標といえる。昭和の時代は身近にいたことを改めて知ってもらい、海の環境を考えるきっかけにしてほしい」と話している。

(2020年11月01日 11時03分 更新)

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