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閉店危機そば店に“2代目”誕生 高梁・吹屋地区で移住男性が奮起

東京から地元に移住した銘形さんが引き継いだ「二代目ふるさと村休憩所吹屋食堂」
東京から地元に移住した銘形さんが引き継いだ「二代目ふるさと村休憩所吹屋食堂」
そば生地を包丁で切る銘形さん
そば生地を包丁で切る銘形さん
 国重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の吹屋ふるさと村(高梁市成羽町吹屋)で40年以上親しまれてきたそば店を、東京から移住した元飲食店員の銘形(めいがた)一哉さん(28)=同市=が引き継いだ。従業員の高齢化で閉店の危機に直面していたが「観光客や住民に愛されてきた店を守りたい」と約2年間修業を積み、“2代目”として新たな一歩を踏み出した。

 店は吹屋地区が重伝建に選定された1977年、観光客の憩いの場にと地元の女性5人ほどで「吹屋ふる里村お休処(やすみどころ)」の屋号で開業した。太くて短い手打ち麺と素朴な味わいの「田舎そば」(700円)が人気だが、ほとんどの従業員が80代。後継者も見つからず、2019年で店を畳む予定だった。

 銘形さんは16年10月に旅行でふるさと村を訪れた際、調和の取れたベンガラ色の町並みの美しさと住民の温かさに魅力を感じて17年7月に移住。店に足しげく通ううちに事情を知り、担い手になろうと決意した。かつて働いていた飲食店では調理経験がなかったため、18年10月から従業員の松浦俊子さん(84)=同市=にそばの打ち方を一から教わった。

 店は老朽化が進み雨漏りもしており、今年6月に休業し、自身も費用を負担して改装。10月初旬までかけて天井を高くし、照明を温かみのあるオレンジ色に替えるなどした。

 屋号を「二代目ふるさと村休憩所吹屋食堂」に改め、松浦さんらの助けを借りて11日に営業を再開。常連の女性(58)=井原市=は「味は今までと変わらず、店の雰囲気は明るくなった。これからもお店を守ってほしい」と期待する。

 銘形さんは「店とそばの味を失いたくない一心だった。今後も人々が気軽に集まり、交流できる場所にしたい」と話している。

 営業は午前11時~午後4時。木曜定休。問い合わせは同店(0866―29―2225)。

(2020年10月29日 21時20分 更新)

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