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演歌CD、カセットの“聖地”閉店 31日、1934年創業の大森楽器店(岡山)

今月末の閉店を前に、常連客とあいさつを交わす大森さん(左)
今月末の閉店を前に、常連客とあいさつを交わす大森さん(左)
 岡山県内有数の演歌のCD、カセットテープの品ぞろえで、“聖地”としてファンに愛されてきた岡山市北区表町の老舗レコード店・大森楽器店が今月末、閉店する。中高年を中心に根強い人気を集めてきたが、客足の減少に、経営者の高齢化もあって決断した。

 「最盛期には午前だけで客が100人来ることもあった」と社長の大森富夫さん(80)は振り返る。店内に並ぶCDなど約6千点の8割が演歌。人気歌手の新譜は今でも50件ほどの予約が入る。かつては若手歌手が全国巡業で店を訪れた。20年ほど前、デビュー直後の氷川きよしさんも来たのが、今も大森さんの自慢という。

 1934年、現在の同市北区中山下で父の輝雄さん(97年死去)が創業した。終戦直後に現在地へ移り、大森さんは62年から働く。当初はクラシックや洋楽もあったが、市内に大型店進出が相次ぎ、若い客が減ったため、90年代後半からは演歌へ軸足を移した。

 それでも客が次第に減り、後継者不在もあり、閉店を決意した。

 閉店を知って訪れた客(75)=同市=は「昔ながらのレコード店で気兼ねなく会話できる魅力があった」と別れを惜しむ。

 大森さんは「厳しい状況の中、やり切ったという思いもある。常連さんたちに申し訳なさと感謝でいっぱい」と話し、最後の日まで店頭に立つつもりだ。

 営業時間は午前10時~午後6時。27日休み。問い合わせは同店(086―222―5467)。

(2020年10月26日 09時49分 更新)

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