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島の郷土料理・妊み寿司味わって 24日、笠岡のマルシェで販売

笠岡諸島の出身者が売り出しているアジの妊み寿司
笠岡諸島の出身者が売り出しているアジの妊み寿司
 見た目にちゃめっ気が漂う。頭を残したまま腹開きになった小魚が、米を腹に含んでいるように見える「妊(はら)み寿司(ずし)」。かつて笠岡諸島で作られた郷土料理だが今では見られなくなったといい、島の出身者が記憶を頼りに再現し、笠岡市内で販売している。

 伝承の立役者は同諸島・高島出身で、島の食材を扱う飲食店「しまのこし」(同市四番町)で調理を担当する馬越久子さん(68)。昨秋、同様に高島で育った店長妹尾登志子さん(56)が釣ったママカリを見て、20年ほど前まで祖母や母が作っていた妊み寿司を思い出し、秋の間、ランチメニューに加えたという。

 開いたアジやママカリに塩を振って数時間から半日置き、砂糖、みりんを合わせた酢に1、2日間漬けてネタを仕上げる。今年も釣りの好季節とされる秋になり、妹尾さんが諸島で糸を垂らして得た魚を自ら調理。新型コロナウイルス禍でランチは休んでおり、9、10月に2回、笠岡諸島交流センター(同市笠岡)で売った。「見た目がかわいい」「おいしい」と人気という。

 妊み寿司の起源や変遷は不明らしく、妹尾さんは「調理に手数がかかり、次第に消えていったのかも」と推察。「手間の中に作り手の思いが込められた昔ながらの郷土料理を多くの人に味わってほしい」と話している。

 次回は今月24日、同センターで開かれるマルシェに合わせて販売。1個(200円)ずつ、先着30人分を予定している。問い合わせは、しまのこし(0865ー75ー0342、月・木曜定休)。

(2020年10月21日 12時09分 更新)

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