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倉敷の高梁川でアユ受精卵放流 西日本豪雨後初、県内水面漁協連

アユの受精卵が付いた繊維束をいかだにくくり付ける高梁川漁協の職員
アユの受精卵が付いた繊維束をいかだにくくり付ける高梁川漁協の職員
 岡山県内水面漁業協同組合連合会は12日、高梁川を天然遡上(そじょう)するアユを増やすため、倉敷市玉島上成の高梁川河口で受精卵約2300万粒を放流した。人工授精を行う高梁川漁協のアユ養殖施設・高梁川栽培漁業研究所(総社市下原)が西日本豪雨で被災したことなどから、放流は3年ぶり。

 ふ化寸前まで育てた直径1ミリ未満の受精卵が付いた繊維束を、同漁協の職員らが竹で組んだいかだ(縦3メートル、横2メートル)にくくり付け水面に沈めた。

 同連合会などによると、稚魚は瀬戸内海沿岸域で育ち、順調にいけば来春には体長5~10センチになって高梁川を遡上。アユ釣り解禁の6月中旬には20センチ前後になる。同連合会の萱野泰久専務理事(61)は「多くのアユに戻ってきてほしい」と作業を見守った。

 受精卵の放流は1993年から実施。9日には吉井川と旭川で行った。国の統計では、県内のアユの漁獲量は84年に510トンだったが、2018年は13トンに減少。河川環境の変化などが要因とみられる。

 同研究所は18年の豪雨で、ほぼ全ての設備が水没し、建屋は建て替えを余儀なくされた。今年1月に事業を全面再開した。同漁協の中山優主任(56)は「災害後、初の受精卵放流という第一歩を踏み出せた。各地で災害が起きているが、他地域への励ましにもなれば」と話した。

(2020年10月14日 17時22分 更新)

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