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【記者が行く】交差点の「出合頭!」、どういう意味? 停止義務ないが安全に通行を

質問者の女性(手前)が車で衝突しかけたという岡山市内の交差点。女性は左から進入し、手前から来た車とぶつかりそうになった
質問者の女性(手前)が車で衝突しかけたという岡山市内の交差点。女性は左から進入し、手前から来た車とぶつかりそうになった
 岡山市内の住宅街の交差点を車で通っていたら、右から来た車と危うくぶつかりそうになりました。相手側の路面には大きな字で「出合頭!」と記されていました。よく見掛ける表示ですが、一時停止の「止まれ」とは違うのでしょうか。<岡山市北区、女性(45)>

 現場は東西南北に市道が交わる十字路。信号機はなく、南北の道路は交差点手前の路面に「出合頭!」の表示がある。女性は東から交差点に進入したといい、女性から見て左右の角にはカフェと民家があり、見通しはよくないようだ。

 「右から突然、車が現れ、あと数センチで運転席側にぶつかっていた」と女性は振り返る。

 「出合頭!」は住宅街の交差点などでよく見る表示だが、ドライバーは止まらなければならないのか。岡山県警交通規制課は「あくまで『安全に通行しましょう』と注意を促すもの。一時停止する義務はない」とする。

 信号機のない交差点で一時停止義務があるのは、赤い逆三角に白抜きで「止まれ」と書かれた標識がある場所。道路交通法に基づく規制に当たるという。

 これに対し、「出合頭!」は道交法で定められていない「法定外表示」で県や市など道路管理者が設置する。

 法定外表示は、横断者がいることを知らせる「横断歩行者」、右左折のウインカーを促す「合図」といった路面に書かれた文字、夜間などでも交差点があることをよく分かるように交差点中央に十字を描いた「+」(クロスマーク)などがある。文言など具体的な表示の仕方も基本的には各自治体が決める。

 では「出合頭!」はどんな場所に表示されるのか。市道を管理する岡山市に尋ねた。

 「安全で円滑な交通を確保するために必要な場所にその都度表示している。明確な条件などはない」と道路港湾管理課。見通しの悪さや事故の発生状況、交通量、周辺住民からの要望などを考慮して決めるという。

 県警によると、倉敷市では今年4月、自転車の児童が車とぶつかり、けがをした交差点で、車側の路面に「出合頭注意」と書かれ、クロスマークも表示された。

 法定外表示には規制の効果を高める狙いもある。例えば、逆三角形の標識の「止まれ」は道交法で定められているが、同じ場所の路面上によく書かれている「止まれ」の文字は実は法定外表示。一時停止の規制がよく分かるように補完的に示されているという。

 県警交通規制課は「『出合頭!』は『交差点は安全に通行する』とのルールを意識付ける役割もある」とした上で「そもそも交差点では、ドライバーは安全な速度で通行しなければならない。表示がない道路を通る側も注意して走行してほしい」と呼び掛けている。

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(2020年10月08日 05時00分 更新)

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