山陽新聞デジタル|さんデジ

落語家を目指す女性が主人公のN…

 落語家を目指す女性が主人公のNHK連続テレビ小説で知られた「ちりとてちん」は、上方落語の演目の一つ。何でも知ったかぶりをする男を近所の旦那が懲らしめるはなしだ▼そのために珍味だとだまして腐った豆腐を食べさせる。ちりとてちんは三味線の旋律を表す擬音語で、懲らしめ方を考えている時に聞こえたことから珍味に名付けたといういいかげんさだが、「昔、台湾で食べたことがある」などと男は言いだす▼もともとは「酢豆腐」という江戸落語だそうだ。同様に作り直されて東京から伝わったり、逆に大阪から移されたりした落語は多い。その途中で消えてしまったものもあるに違いない▼これも東京を参考に約70年前、大阪府がまとめた案が源流だという。大阪市を廃止して特別区を新設し、府とともに行政機能を再編する「大阪都構想」である▼是非を問う11月1日の住民投票に向け、市主催の住民説明会が行われている。政令指定都市と都道府県の役割分担の見直しなら、岡山なども無縁でないものの、効果に疑問は拭えない▼落語のちりとてちんは東京に「逆輸入」され、人間国宝の柳家小さんさんらも演じた。知ったかぶりという、東西を問わず思い当たる節が少なくないことをくすぐったのが人気の理由か。都構想が現実となるにも、多くの市民の共感が欠かせない。

(2020年09月29日 08時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ