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150年途絶えた儀式、復活へ 金山寺 市民有志の援助で再興を計画

昼夜不断の温座を行う金山寺
昼夜不断の温座を行う金山寺
 金山寺(岡山市北区金山寺)は29日午後から翌朝にかけ、数人の僧侶が昼夜不断で国家安泰などを祈祷する伝統儀式「温座」を行う。7日間続く本来の儀式は江戸末期を最後に約150年間途絶えており、市民有志の援助を受け、再興を計画。まずは2日間の日程で実施し、将来は本格的な復活を目指す。

 温座は皇室の安定や災害・疫病の終息などを願い、1回約1時間の祈祷を途切れることなく計168回行う天台密教の儀式。20~30人の僧侶が交代で祈りをささげ続け、座が冷える間がないことからこの名が付いたという。

 温座は、寺が開かれた749年から、裸の男衆が争奪戦を繰り広げる会陽の宝木(しんぎ)に祈りを込める「修正会(しゅしょうえ)」として行われてきたと伝わる。江戸時代には藩の資金援助があったが、明治維新に伴う神仏分離令などで県からの援助が打ち切られ、僧侶の手配も困難に。昼夜不断の儀式は途絶え、近年は1人の僧侶が2週間で断続的に33回の祈祷をする形式で続けてきた。

 2014年に就任した岸本賢信住職(36)が「間断なく身体、精神をささげる過酷な行法こそ本来の温座だ」と復活を模索する中、岡山県内の経済人らでつくる異業種交流会「ワンダーシップ」が今年8月、援助を申し出。自然災害が相次ぎ、新型コロナウイルスの感染が広がる社会の安寧を祈ろうと、他の寺の僧侶の力も借りて今月29日午後2時から30日午前9時まで祈祷を実施する。

 岸本住職は「歴史ある行事を部分的にでも復活させられ、大変うれしい。将来的に本来の温座を再興する契機にしたい」と話す。

 祈祷は客殿の一室で行い、無料で一般公開する。茶や菓子の接待もある。

(2020年09月26日 21時27分 更新)

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