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拾われて幸せだニャ“看板猫”に 倉敷美観地区の喫茶店

店のいすでくつろぐマヤ。隣に座る上田さんは「自由気ままな性格がいとおしい」と目を細める
店のいすでくつろぐマヤ。隣に座る上田さんは「自由気ままな性格がいとおしい」と目を細める
 倉敷市美観地区に、保護された猫が“看板猫”として客に愛されている喫茶店がある。創業して半世紀近い「喫茶ウエダ」(同市阿知)。約30年前に捨て猫を拾ったのをきっかけに飼い始め、現在いるのは「元野良」の雌・マヤ(推定3歳)。店を営む上田京子さん(84)は「店に来るまでは大変だったかもしれないが、これから幸せな生涯を送らせてあげたい」といとおしむ。20~26日は動物愛護週間。

 今月中旬の昼下がり、コーヒーの香りが漂う店内。三毛のマヤがいすの上でくつろいだり、店先に立って行き来する観光客を眺めたりしていた。2017年9月、やせ細った姿で店の前にいたのを上田さんが保護し、毎日、同店で過ごしている。周囲に愛嬌(あいきょう)を振りまくことも多く、かわいさにつられるように店に入る客がいるそうで、同店の貴重な戦力にもなっている。

 同店は1962年にカメラ店として開業し、72年ごろ喫茶店に業態転換。猫は80年ごろ、家族が拾ってきたのを飼い始めたのが最初。店内で自由に過ごさせていると「店が和やかな雰囲気になった。お客さんも喜ぶし、私にとっても仕事のしんどさを癒やしてくれた」と上田さん。その後も拾った猫などを飼い続ける。

 2001~18年は、先代の雄・モモが“看板猫”を務めた。美観地区周辺にすみついた野良だったが、自然と店で寝泊まりするように。最初は人を怖がり、すぐにかみついたりしていたが、上田さんや客にかわいがられるうち穏やかな性格になり、モモ目当てに県外から来る客もいたという。

 猫を飼い続ける上田さんだが、野良猫が絶えない状況には胸を痛めている。店で飼う猫は当然、不妊・去勢手術を施している。上田さんは「動物虐待のニュースを目にするたびに心が痛む。モモやマヤのように行き場を失う動物がいなくなる世の中になってほしい」と願っている。

(2020年09月24日 09時13分 更新)

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