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高校は、地域から若者が出ていく…

 高校は、地域から若者が出ていくための「人口流出装置」になっている―。地元のことを学ぶこともなく、人々とも接しないで卒業して都会に出て行く。そんな危機感から5年前に取り組みは始まった▼卒業前に学んでほしいと、学校と自治体や経済界、市民団体など多様な人々が連携し、生徒の体験プログラムを設けた。地域づくりや対話を通して地元の魅力や課題を知ってもらう内容だ▼「外に出て行くだけだった高校生が地域に入って来た」と、まちづくりに関わる人々は感激したという。「地域学のススメ」をテーマに19日開かれた本紙主催のシンポジウムで紹介された山形県最上地域の事例だ▼東京一極集中の問題を話し合う国土交通省の審議会で今月、若者の地元への愛着・帰属意識が希薄なことが一極集中の要因の一つとされた。諸外国と比べて社会的な活動への参加が少なく、幼少期から地域との関わりが薄い、というのだ▼新学習指導要領は「社会に開かれた教育課程」を掲げ、地域と連携した学びを重視する。高校の普通科を再編して地域探究学科を設ける案も検討されている。国も教育を変え始めた▼生徒らが地域に出て、答えのない社会課題に挑み、自ら考える力を身につけて成長する。最も重要な意義はその点だろう。学校だけでは得られない学びが今求められている。

(2020年09月23日 08時00分 更新)

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