山陽新聞デジタル|さんデジ

横浜市議を経験し地方政治に精通…

 横浜市議を経験し地方政治に精通しているからか。菅義偉新首相はよく、地方創生の実現には地方が使える「財源」が必要だと口にしてきた。実体験から得た感覚なのだろう▼第1次安倍政権で総務相を務めた際は、ふるさと納税の新設を主導した。「税体系をゆがめる」との猛反対があったものの、市議時代から温めてきた構想だと初志を貫いた▼生まれてから高校を卒業するまで秋田で育った。働いて納税したのは東京や神奈川だった。「ふるさとに恩返しをしたいと思っている地方出身者はたくさんいるはずだ」。新税制にかけた思いを、自著「政治家の覚悟」で紹介する▼最近では、自然災害に見舞われた自治体を支援したり、返礼品となる特産品目当てに自治体を応援したりと活用法も広がる。ふるさとに限らず地方を応援する納税制度として定着してきた▼だが、菅首相が官房長官を務めた間も、東京一極集中はさらに進んだ。逆に、地方の活力は低下し続けている。もはや小手先の地方支援では解消できない格差にも見える▼コロナ禍は過密な大都市の弱点をあぶり出し、地方移住を検討する若者も現れている。この機運を無駄にできない。企業の地方移転を後押しする税制の拡充や、地方を縛る規制の大胆な改革を求める声は強い。地方を知る首相の覚悟を披露する時が来ている。

(2020年09月18日 08時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ