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「くらしきコンサート」終演へ 12月公演で37年の歴史に幕

小沢征爾氏が新日本フィルハーモニー交響楽団を指揮した第8回くらしきコンサート。公募の市民でつくる合唱団も共演した=1985年
小沢征爾氏が新日本フィルハーモニー交響楽団を指揮した第8回くらしきコンサート。公募の市民でつくる合唱団も共演した=1985年
「くらしきコンサート」代表を長年務め、4月に亡くなった大原れいこさん
「くらしきコンサート」代表を長年務め、4月に亡くなった大原れいこさん
 世界的な演奏家、指揮者らを倉敷市に招へいしてきた音楽会シリーズ「くらしきコンサート」が、12月の次回公演で終了すると16日、運営会社くらしきコンサート(同市阿知)が発表した。同社代表で、企画の中心を担ってきた大原れいこさんが4月に死去したことで継続を断念。地域文化の振興に大きな功績を残した音楽会が37年の歴史に幕を下ろす。

 同シリーズは、クラシック音楽を愛した実業家大原總一郎氏の思いを受け継ぎ、長女れいこさんら3人の子どもにより1983年に始まった。音楽プロデューサーだったれいこさんの手腕で、ウィーン・フィルや小沢征爾氏ら一流の楽団、音楽家を招いて年1~4回のペースで開催。地方都市では異例の豪華コンサートを実現してきた。

 93年には地域の有志や企業が「郷土の中高校生にクラシック音楽をプレゼントする会」を設立。延べ約1万人の子どもに同シリーズのチケットを贈り、コンサートを後押ししてきた。

 最終公演となる「第105回コンサート」は12月14日、倉敷市民会館(同市本町)で開催。NHK交響楽団の首席指揮者パーボ・ヤルビと、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団が共演し、ベートーベンの交響曲第1、9番を披露する。チケットは10月15日発売。S席1万5千円、A席1万2千円、B席8千円、C席6千円、学生(小学生から25歳まで)千円。

 れいこさんの弟でくらしきコンサート顧問の大原謙一郎・大原美術館名誉館長は「寂しいが、姉の名を汚さないように継続することは不可能だと思う。倉敷を舞台に、新しい動きが若い世代から湧き起こることを期待したい」としている。

(2020年09月16日 19時36分 更新)

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