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「閑谷學」コーディネーター・江森真矢子さんに聞く 「地域学」取り組む意義は

地域学に欠かせないコーディネーターの役割について語る江森さん
地域学に欠かせないコーディネーターの役割について語る江森さん
 生徒が地元のことを学んで課題解決を図る「地域学」に取り組む動きが岡山県内の高校で活発だ。19日開催の山陽新聞創刊140周年記念連続シンポジウム「令和時代の地域をつくる」では地域学を切り口に地方創生の在り方を探る。一般社団法人まなびと代表理事の江森真矢子さん(46)は、県内で先行してきた和気閑谷高(和気町)の地域学「閑谷學」に、地域コーディネーターとして関わっている。学校と地域をつなぐ調整役の必要性や意義などについて聞いた。

 ―2015年から閑谷學に携わっている。

 新たな教育を自分の手でつくれるという点に魅力を感じた。和気町からも学校の魅力化、地域活性化の手伝いをしてほしいと言われた。同町地域おこし協力隊として着任時、閑谷學は2年目。協力隊の同僚や先生らと手探りで進めた。今もカリキュラム開発等専門家として内容の充実に努めている。

 ―地域学の意義は。

 生徒たちが、自分が動いたことでもしかしたら地元が変わるかも、と思えることが大切だ。チームで何かをしたり、人間関係を構築しながら意見を出し合ったりする過程は社会で役立つ。人と触れ合い、自分が何かやろうと思ったときに応援してくれた人がいた、格好いい大人がいたという経験によって地域の捉え方は変わり、住民も刺激を受ける。それが巡り巡って主体的にまちづくりに参加する市民が育つことなる。

 ―地域コーディネーターの役割や課題は。

 地域のいろんなところを学びの場として見つけ、学校とつないでいくことが使命だ。課題は雇用の条件が定まっていないこと。コーディネーターが確立した職種としてフルタイムで活動するのが理想だろう。少なくとも、関わった分だけ報酬が得られる仕組みが欠かせない。結局は自分たちが暮らすまちづくりにもつながる問題といえる。地域が一体となって教育をつくっていくようになればいい。自治体の覚悟も問われているのではないか。

 えもり・まやこ 東京都生まれ。国際基督教大卒。大手学習塾グループ、リクルートを経て2015年から3年間、岡山県和気町の地域おこし協力隊として和気閑谷高の魅力化や地域活性化に取り組む。19年、まちづくりや人づくりを進める一般社団法人まなびと(同町福富)設立。井原市ひとづくりアドバイザーも務める。編著作に「地域協働による高校魅力化ガイド」「高校魅力化&島の仕事図鑑」。

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 シンポジムは19日、岡山市北区柳町の山陽新聞社さん太ホールで開かれる。地域と高校の連携について詳しい浦崎太郎・大正大教授の基調講演。岡山の教育関係者らが未来を担う人材づくりについてパネル討議する。参加申し込みは締め切っているが、同日午後2時から特設サイト(https://c.sanyonews.jp/140sympo/)でライブ配信する。

(2020年09月16日 11時18分 更新)

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