山陽新聞デジタル|さんデジ

真備の経験生かし被災地に物資を 岡山の災害ボラ団体 石原代表に聞く

石原靖大さん
石原靖大さん
いのりんジャパンに手渡された支援物資。県内の多くの団体が協力した
いのりんジャパンに手渡された支援物資。県内の多くの団体が協力した
 災害ボランティア団体・いのりんジャパン(岡山市)は、岡山県内各団体から託された支援物資を、7月の豪雨で甚大な被害を受けた熊本県球磨(くま)村などの被災地に届けるとともに、現地の団体と連携して状況を把握した。石原靖大代表(46)は「被害を受けた地域が多く、人手が足りていない」と指摘する。新型コロナウイルス禍で復旧活動に支障もある。同じ水害被害を受けた倉敷市真備町地区での活動経験を生かしてニーズをつかみ、さらなる支援策を模索する。

 ―被災地の現状は。

 水害の経験がなくノウハウが足りていない地域もある。浸水被害が主だった真備町とは違い、土砂と濁流にのみこまれ、多数の家屋が破壊された。球磨川にはごみが流れ着いたままだ。被災者は傷ついた古里の様子に心を痛めている。

 ―新型コロナの影響もある。

 現地は基本的に熊本県外のボランティアを受け入れていない。しかし、援助を必要とする住民がいるのは事実。被災した住宅には「県外ボランティアさん、助けてください」といった趣旨の張り紙があった。現地の支援団体と連携することで、被災地への貢献策を模索している。

 ―活動で最も大切にしている点は何か。

 被災者に寄り添って動く「共感力」だ。現場・現物を見て、被災地が何を必要としているか分かるし、支援の仲間もできる。真備町での支援活動の経験が生きてくる。

 民間は行政より小回りが利き、細かい支援を行うことができる。現地のニーズは刻々と変わっている。私たちは現地の団体とリアルタイムで情報をやりとりしており、今後も必要な支援を必要な人に届けることを実現したいと考えている。

岡山県内の団体が協力 熊本の被災地へ物資届ける

 熊本県の被災地への支援物資は、岡山の多くの団体などが協力して、7月の被災直後から8月末まで3回にわたり届けられた。いのりんジャパンが現地の支援団体からニーズをつかみ、集まった物資をワゴン車に満載して、岡山と熊本をつないだ。

 最初は7月下旬、熊本市にスコップや土のう袋など20人分の活動資材を運び、現地の「緊急支援ネットワーク熊本」などから情報収集して必要な物資を把握した。

 帰岡して協力要請したところ、多くの団体が応じた。岡山みらいライオンズクラブ(岡山市)は球磨村教委の要望に応え、小学校の仮設校舎で使う掛け時計とごみ箱を寄贈した。地域活性NPOきばいやんせ岡山(同市)はレトルトのカレー計約30キロとカプセル入りの文房具1箱を提供、倉敷市の市学童保育連絡協議会と真備町の被災者らでつくる川辺復興プロジェクトあるくは、文房具や事務用品を集めた。

 避難所から必要との声があった衣装ケースや洗濯機、掃除機、ドライヤーも、県内から寄付を受けて配送した。

 同様の被害に遭った子どもたちの思いも届けた。真備町にある市立川辺小は、5年の児童(10)の発案で児童約290人が応援メッセージを書いた。「2年前に多くの手紙をもらってうれしかったのでエールを送ります」「負けずに頑張って」などと計12枚の模造紙にまとめ、夏休み中に熊本県の球磨村立渡小と芦北町立佐敷小に届けた。

(2020年09月07日 18時52分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ