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【記者が行く】県道沿いの竹林、なぜ一斉に枯れた? 地下茎でつながり、寿命に

県道岡山玉野線沿いの山中にある枯れた竹林。片山さん(左)によると、竹が寿命を迎えているという=8月上旬、岡山市南区郡
県道岡山玉野線沿いの山中にある枯れた竹林。片山さん(左)によると、竹が寿命を迎えているという=8月上旬、岡山市南区郡
枯れた竹林にあった竹の苞。開花していたことを示している
枯れた竹林にあった竹の苞。開花していたことを示している
【記者が行く】県道沿いの竹林、なぜ一斉に枯れた? 地下茎でつながり、寿命に
 岡山市南区郡から玉野市八浜町八浜にかけての県道岡山玉野線沿いを走っていると、枯れた竹林が目につきます。一斉に枯れているように見えますが、なぜですか。倒竹や土砂災害の心配はないのでしょうか。<岡山市、自営業女性(54)>

 情報を寄せてくれた女性は20年以上仕事でこの道を通っているが、最近になって枯れた竹林を複数見るようになったという。

 竹に詳しい半田山植物園(岡山市北区法界院)の元職員片山久さん(80)=同市北区=とともに現地を訪ねた。

 同市南区郡にある山の中腹にある竹林。200平方メートルほどに主にハチクが生えている。同行してもらった所有者の男性(69)によると、ここ最近で急に枯れ始めたという。

 「竹林が『寿命』を迎えているみたいですね」。片山さんが竹の枝先にたくさん付いた稲穂のようなものを見て言った。

 片山さんによると、竹は土の中で地下茎を網の目のように広げ、そこから次々と生えてくる。ただ、長い年月を経ると、竹は枝先に小さな花をたくさん付け、種子を実らせて一生を終える。地下茎は枯れ、新たな竹も生えなくなる。

 片山さんが見つけたのは、花を包んでいた苞(ほう)と呼ばれるもので、開花していたことを示している。「苞は竹が寿命を迎えたサイン」と片山さん。この日、周辺の枯れた竹林1カ所でも、苞がたくさん付いた竹を確認した。

 竹の寿命は諸説ある。森林総合研究所関西支所(京都市)によると、過去の文献の開花記録からハチクは約100年、マダケは約120年の周期で花が咲くと考えられているが、はっきりしない。県道岡山玉野線沿いの複数の竹林が枯れているのは、植えた時期が同じなのか、自然繁殖で周期が重なったのかは分からないが、ハチクの開花はここ数年、全国的にもよく見られるという。

 枯れた竹林は災害などの危険はないのか。

 福岡大の佐藤研一教授(地盤工学)によると、枯れた竹は腐っていくので「台風などで倒れる恐れはある」と指摘。ただし、全て伐採すれば、落石などを食い止める防護柵の機能も失われるので注意が必要だともいう。

 土砂崩れに関しては、竹はもともと地表から30センチほどの浅い場所に根を張り、地下茎でつながっているので、急勾配の場所で大雨などが降れば、竹林ごと一気に崩れる恐れはある。ただ、「枯れていることがその危険性をさらに高めるとまではいえないだろう」と佐藤教授は話している。

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(2020年09月03日 05時00分 更新)

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