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県内高校求人、大幅減1・59倍 コロナ影響で10年ぶり低下

県内高校求人、大幅減1・59倍 コロナ影響で10年ぶり低下
県内高校求人、大幅減1・59倍 コロナ影響で10年ぶり低下
 岡山労働局は1日、2021年3月卒業予定の岡山県内高校生の求人状況(7月末現在)を発表した。求人倍率は1・59倍で、前年同期比0・29ポイントの大幅ダウン。新型コロナウイルスの影響により、ほとんどの業種で新卒求人が抑えられ、10年ぶりの低下となった。

 県内の高校に寄せられた企業の求人は5889人で、前年同期を23・7%下回った。企業の人手不足を背景に、前年までは右肩上がりだったのが急減した。高校卒業予定者1万7801人(2・6%減)のうち、就職希望者は3693人(9・8%減)だった。

 産業別の求人は、製造業が26・5%減の2410人と7年ぶりに減少。鉄鋼業(27・5%減の371人)、食料品(29・6%減の311人)、自動車などの輸送用機械器具(31・3%減の301人)など、ほとんどの業種で落ち込んだ。

 非製造業も21・6%減の3479人で、10年ぶりに減った。宿泊・飲食サービス(56・6%減の98人)のほか、卸・小売り(27・6%減の653人)や医療・福祉(17・0%減の698人)も大きく下がった。

 今春にサービス、調理スタッフの高校生8人を採用した岡山市内のあるホテルは、21年卒は求人を見送る方針という。人事担当者は「新型コロナの影響で売り上げが激減し、今後回復するかも不透明な状況。新卒採用は難しい」と打ち明ける。

 一方、ENEOS(旧JXTGエネルギー)水島製油所(倉敷市)は「コロナによる業績への打撃は小さくないが、工場はちょうど定年退職者の補充の時期。世代交代は確実に進めたい」とし、例年並みの約50人の採用目標を維持している。

 岡山労働局は「新型コロナで先行きが見通しにくく、新卒の採用計画にも影響が広がっている」としている。

 高校生の採用選考スタートは従来、全国高等学校長協会や経団連、厚生労働省などの申し合わせで9月16日解禁だったが、今年は10月16日に遅らせる。新型コロナで学校が休校になったことが考慮された。

■「希望応えるには十分」 進路担当、冷静に対応

 岡山県内の来春卒高校生の求人倍率は減少に転じたとはいえ、0・60倍まで下がったリーマン・ショック後や、それ以前の就職氷河期と比べれば高い水準にある。県内の高校は「恐れていたほどの減少ではなかった」とし、1カ月遅れで始まる就職活動に向けた対応を急いでいる。

 水島工業高(倉敷市)では、学校に寄せられた求人が昨年より1割程度減少した。求人減を見込んで進学に切り替える生徒もおり、例年は8割を超える就職希望者が今年は7割弱。進路指導担当者は「生徒の希望に応えるには十分な求人数」と冷静に受け止める。

 選考日程の変更を受け、従来は夏休み期間に取り組んでいた企業見学や履歴書作成などの準備はこれから本格化する。担当者は「授業と並行する形になるため大変なのはこれから」と気を引き締める。

 岡山東商業高(岡山市)も「付き合いのある企業はコンスタントに求人を出してくれた」という。今年は学校行事の多くが中止になっており、面接や筆記試験対策には例年以上の時間をかける考えだ。懸念するのは新型コロナの影響の長期化で、担当者は「今年はまだ良くても、来年度以降はどうなるか」と気をもんでいる。

(2020年09月01日 20時42分 更新)

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