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小型EV 高齢者の新たな「足」に 備前市が10月にも県内初導入

備前市鶴海地区で運行される小型電気自動車
備前市鶴海地区で運行される小型電気自動車
 高齢者らの移動手段を確保するため、備前市は小型電気自動車「グリーンスローモビリティー(略称・グリスロ)」の運行を10月にも同市鶴海地区で始める計画だ。地元のNPO法人に委託し、住民の希望に応じて、自宅から最寄りのバス停などに送迎する。導入が実現すれば、県内では初めてとなる。

 車両は、ゴルフカート型の4人乗り(全長約3メートル、幅約1・2メートル、高さ1・8メートル)の1台を使う。時速19キロで走り、NPO法人「スマイル・つるみ」が平日のみ、予約を受けて運転する。料金は1回(片道)200円。

 市は鉄道の駅がないなど、地域が抱える交通課題の解消に向け、2018年にグリスロの有効性を探る国の実証調査に参加。自宅からバス停や医療機関、商店といった目的地への送迎を2週間行い、利用した住民から好評だったため、今年2月に車両を購入して運行の準備を進めてきた。

 既に、同法人のスタッフは運転するため義務付けられている国の講習を受講済み。道路運送法に基づき運行に必要となる「自家用有償旅客運送」の登録を9月に県へ申請する。

 同市鶴海地区は4月1日現在の人口が932人で、うち65歳以上の割合は49・7%と高齢化が進んでいる。同法人の信宮勝正理事長(75)は「地域の主な交通手段はマイカーだが、高齢で運転免許証を返納する住民も少なくない。スムーズな運行を心掛け、住民の新たな『足』として定着させたい」と話している。

 グリーンスローモビリティー 4人以上を乗せ、公道を時速20キロ未満で走る小型車。環境に優しく、低速で安全なことなどから国が普及を進め、導入に当たって車両購入費の補助などの支援をしている。道幅が狭い住宅地や中山間地、離島などの新たな移動手段のほか、観光での活用が期待されている。県内では笠岡、真庭市が導入を目指している。

(2020年08月24日 13時19分 更新)

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