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雇用は、経済は…玉野に不安の声 三井E&S商船建造撤退方針受け

三井E&Sグループ創業の地でもある玉野艦船工場=玉野市玉
三井E&Sグループ創業の地でもある玉野艦船工場=玉野市玉
 三井E&Sホールディングス(東京)が、造船子会社・三井E&S造船玉野艦船工場(玉野市玉)での商船の建造を終え、提携先に生産委託していく方針を発表してから一夜明けた6日、地元の玉野市で波紋が広がった。船舶建造の大幅縮小が見込まれる中、関係者らからは雇用や地域経済はどうなるのかといった不安の声が聞かれた。

 黒田晋市長は「三井側から、(常石造船や三菱重工業など)他社との協議は玉野の製造拠点を残すためで、仕事や雇用が失われることはないと聞いている。協議の進展を見ながら、仮に『話が違う』ということになれば、維持してもらえるよう厳然と申し入れする」と述べた。

 玉野商工会議所の実井準専務理事は「創業の地として発展してきた企業城下町が、岐路に立たされている。三井の撤退で雇用が減り、人口減少につながらないよう、できる対策は全て打ちたい」と話す。

 昼休み、工場の外で休憩していた協力企業の40代の男性従業員は「会社から正式な話がないので何とも言えないが、以前から縮小傾向にあるとは耳にしていた。自分たちの仕事がこれからどうなるのか」と表情を曇らせた。

 工場は1917年に三井物産造船部として創業して以来、地域にとって欠かせない存在。近くの菓子店「やまもと製菓」は、進水式にちなんだもなか「進水 久寿玉」が看板商品。4代目店主の山本一樹さん(58)は「造船のまちで生まれ育ったのがわれわれの誇り。どのような形でも船造りの灯はつないでほしい」と訴えた。

(2020年08月06日 19時59分 更新)

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