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倉敷市、公共交通事業者へ奨励金 「コロナ禍の社会的使命に感謝」

新型コロナの影響で打撃を受けている路線バス=JR倉敷駅前
新型コロナの影響で打撃を受けている路線バス=JR倉敷駅前
 倉敷市は、新型コロナウイルスの影響で経営に打撃を受けている公共交通事業者を支援するため、奨励金の支給を始めた。市内で営業する鉄道とバス、タクシー事業者が対象で、「コロナ禍の中、感染や利用減のリスクを抱えながら社会的使命を果たしてくれたことへの感謝の意味がある」としている。

 奨励金は、市内に本社・営業所があるか、起点と終点のある路線を運行しているのが条件。鉄道は1車両につき340万円、路線バスは1台40万円、タクシーは1台5万円。個人タクシーも対象となる。金額については、車両維持費や保険など年間の固定費を割り出し、コロナの影響が特に深刻だった期間を補てんできるよう調整し、設定した。

 市は3月以降継続して事業者へのヒアリングを行い、経営への影響を確認。「売り上げの減少が著しい」「運行を続けるために最低限の支援をお願いしたい」と声が上がり、早急に対応するため煩雑な手続きが少ない奨励金の形式にした。事業費は約9700万円。

 市によると、市内公共交通事業者の4、5月の利用客数は、鉄道が前年同月と比べ約45%、路線バスが約60%減少している。緊急事態宣言が解除された6月以降は上向きつつあるが、本格回復には至っていない。タクシーも同様の傾向という。

 岡山県バス協会、県タクシー協会など交通関連の4団体は6月、県に支援を求める要望書を提出している。県タクシー協会倉敷支部によると、今回の奨励金は20社以上への支給が見込まれており、岩井央支部長(倉敷タクシー社長)は「観光に加え、通院や買い物といった日常の利用も少なくなっている。厳しい経営は来年春ごろまで続くとみており、市の積極的な支援は本当にありがたい」と言う。

 市交通政策課は「市民生活を支える大切な存在を守る必要がある。今後も状況を把握しながら対策を検討していく」としている。

(2020年08月05日 14時34分 更新)

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