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J1で躍動する姿に誇らしさ ファジから柏移籍のMF仲間

ファジアーノからJ1柏に移籍した仲間。3戦連続得点と躍動している=2019年9月
ファジアーノからJ1柏に移籍した仲間。3戦連続得点と躍動している=2019年9月
 J1で躍動する姿が誇らしい一方、少し寂しい思いも。こんな気持ちにさせるのは、J2ファジアーノ岡山から今季、柏に完全移籍したMF仲間隼斗だ。昇格したばかりのチームで鮮烈な輝きを放ち始めている。

 特別な感情が湧き上がってきたのだろう。初先発をつかんだ7月18日の湘南戦。右からの浮き球を胸トラップから豪快にボレーでたたき込むと、ファジアーノ時代は見たことのない興奮した表情で雄たけびを上げた。これがJ1初ゴール。そこから3戦連続得点し、3連勝の原動力となった。

 柏の下部組織で育ったがトップチーム昇格はかなわなかった。高校卒業後は「拾ってもらった」J2熊本でプロになり、J2暮らしは9年に及んだ。遠回りし、ようやく袖を通すことができた黄色のユニホームだった。

 鋭いドリブルにDF裏への果敢な飛び出し、そしてアグレッシブな守備は、15得点を挙げた昨季のプレーそのものだ。「今はシュートの精度が上がり、周囲の選手もうまく使える。彼の活躍はうれしいし、われわれの刺激にもなる」。こう喜ぶファジアーノの有馬賢二監督は、こんなエピソードを明かしてくれた。

 昨年7月、仲間に移籍話が舞い込んでいた。心が揺れ動く中、クラブ初の4連勝を達成する甲府戦の前日、宿舎で指揮官と二人で話し合い、ファジアーノで最後まで戦うことを決めたという。

 そこからエースとしての自覚がさらに強まったように思う。プレーオフ進出の大一番だった昨季ホーム最終戦の横浜FC戦はけがを押して途中出場した。試合後「岡山のために身を削りました」との言葉に胸が熱くなった。力を出し尽くした上での移籍の決断だった。

 そして今のブレークだ。この一抹の寂しさはどこか遠い存在になってしまったからだろう。多くの岡山のサポーターに愛された28歳の苦労人。日本代表入りも決して夢ではない。

(2020年08月01日 14時06分 更新)

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