山陽新聞デジタル|さんデジ

豪雨教訓 水害家屋の応急処置紹介 岡山県建築士会倉敷支部が冊子

水害後の家屋の応急処置などを記した冊子
水害後の家屋の応急処置などを記した冊子
 岡山県建築士会倉敷支部(約200人)は、水害に遭った家屋の適切な応急処置や復旧のポイントを記した冊子を作った。2年前の西日本豪雨で、会員は被害が大きい倉敷市真備町地区に入りボランティアとして活動。その際の課題を基に資料としてまとめた。発刊に携わったメンバーは「専門家として被災地での教訓を伝える必要性を感じた。有事に役立ててほしい」と話している。

 冊子はA5判、カラー37ページ。浸水の深さといった被害状況の目安や、書類手続きから再建に至る過程を図表で表現した。具体的な応急処置としては、床材、壁材、断熱材の撤去や浸水した電気、水回り設備の扱い方などを取り上げ、現場の写真を使い分かりやすく示している。

 「西日本豪雨では少なくとも数百件の相談があったが、応急処置が十分でなく建物の再建に支障が生じるケースもあった」と話すのは、中村陽二副支部長(61)。今回はメンバー十数人が真備に足を運び、復旧の相談などに応じた。

 真備での活動から着目したのは、迅速でコストを抑えた再建に必要な建築部材。建物を補強する「筋交い」や「間柱」、竹を組み合わせ土壁の骨組みとなる「木舞竹(こまいたけ)」などは、現状のまま残すことを勧めている。西日本豪雨では、作業を急ぐあまり構造上の大切さが分からず撤去された事例も目立ったという。

 また、復旧完了後に起きやすいカビの被害を防ぐため、乾燥の重要性も強調。汚泥を取り除き、洗浄、消毒を終えた後、完全に乾燥させるには2、3カ月以上が必要と指摘している。

 備えとして、過去の自然災害の歴史を刻んだ伝承碑やハザードマップの確認、身近な避難場所の設定も呼び掛けている。

 冊子は倉敷市の補助を受け3千部作成し、同支部や市役所本庁、市真備支所などで無料配布。被災地で活動するボランティアの参考にしてもらおうと、作業の注意点を記したシートも500部作った。現場に貼って使えるよう耐水性を高めている。

 中村さんは「住宅の再建に関しては何をどうすればいいか迷う被災者が多かった。万が一の際の参考にしてもらえれば」と話している。

(2020年07月26日 07時14分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ