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倉敷芸科大に男子“新体操部” 高校卒業後の選手の受け皿に

二人三脚で演技をつくり上げる有田海音(右)と菅正樹監督=井原高
二人三脚で演技をつくり上げる有田海音(右)と菅正樹監督=井原高
 岡山県内の大学で初の男子“新体操部”が今春、倉敷芸術科学大(倉敷市)に発足した。2005年岡山国体を契機に「新体操のまち」として全国に知られる井原市の要請に応えて指導者を招き、井原高の卒業生1人が入部。大学の対面授業が再開した6月から本格始動した。

 1期生は、昨夏の全国高校総体で3年ぶり5度目の団体優勝を飾ったチームの主将を務めた有田海音(18)。監督には昨年度まで強豪の花園大(京都市)で指揮を執った菅正樹氏(28)を大学が特担講師として迎えた。部員1人のため正式には愛好会扱いで、来年以降、部活動として認められる5人にとどまらず、団体に出場できる6人以上の部員確保を目指す。実現すれば中四国では唯一となる。

 これまで大学の第一線で続けるには県外進学しかなかった。「地元に残って競技に打ち込みながら、憧れの救命士の資格も取れる。先陣を切り、後輩に道をつくりたい思いもあった」と有田。生命科学部救命救急士コースに在籍し、平日は倉敷市のキャンパスで学んだ後、井原市の母校の体育館で練習に励む。

 大分県出身の菅監督も新しい挑戦に魅力を感じ、転身を決断した。「男子新体操の世界で井原の名を知らない人はいない。そんな地で、ゼロから部をつくり上げることに携われるのは素晴らしい経験」。目標とする10月の全日本学生選手権(福山市)に向け、有田と二人三脚で演技を磨く。

 岡山国体の新体操会場になった井原市では、1999年に精研高(現井原高)に部(当初は同好会)が設立され、選手の育成強化の拠点に。翌年には市主催の教室を母体に、下部組織の井原ジュニアクラブも誕生。以来、地域を挙げた支援で小学生から高校生までの一貫指導体制を整え、全国の強豪チームを招いた大会などを通じて競技の魅力も発信してきた。現在、井原高を含めて男子選手は約35人いる。

 高校卒業後の受け皿ができ、大舌勲井原市長は「有望選手の流出を食い止め、現役を退いた後は指導者として活躍してもらえる良い循環が生まれる。井原高は昨年度から全国募集を採用しており、県外からのスポーツ移住も見込める」と期待。「将来的には強豪高校、大学がある『東の青森』とともに、『西の岡山』と並び称される聖地になれば」と夢を描く。

(2020年07月24日 21時57分 更新)

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