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淡水を使ったハタ養殖順調 岡山理科大 モンゴルで研究

岡山理科大がモンゴルの現地企業と共同で養殖を進めるハイブリッドハタ。10月の初出荷を目指している
岡山理科大がモンゴルの現地企業と共同で養殖を進めるハイブリッドハタ。10月の初出荷を目指している
淡水を使ったハタ養殖順調 岡山理科大 モンゴルで研究
 海水魚の飼育が可能な特殊な淡水「好適環境水」を使い、岡山理科大(岡山市北区理大町)が海のないモンゴルで進めている海水魚・ハタ類の養殖が順調に進んでいる。流通の可能性を探る研究として昨年9月に始め、平均8グラムほどだった稚魚は100倍以上の大きさに成長した。新型コロナウイルスの影響による入国制限で今年3月以降、教員らは現地入りできていないが、共同研究する現地企業のスタッフとオンラインで連絡を取り続け、10月の試験出荷を目指している。

 育てているのは、いずれもハタ科に属する大型の「タマカイ」の雄と小型の「アカマダラハタ」の雌を掛け合わせた“ハイブリッドハタ”。昨年9月下旬に稚魚500匹を空輸し、映画館を改装した首都ウランバートルの施設で養殖を始めた。施設には大小6基計24トンの水槽を設置している。

 稚魚は6月下旬までに平均で体重903グラム、全長36・8センチとなり、最大個体は約1・6キロ。同国は冬場に氷点下30度以下にもなるが、火力発電所から出る蒸気を活用したセントラルヒーティングで水槽を温めており、養殖コストが極めて安いのがメリットという。

 共食いなどによる魚の残存率は87%で、「1年間で70%と見込んでいたが、現状は予想以上に良い」と、好適環境水を開発した同大工学部の山本俊政准教授(水産工学)。

 新型コロナの影響で養殖、研究を担う学生や教員が入国できるめどは立っていないが、会員制交流サイト(SNS)を通じて水温や成育状況をチェックし、停電などのトラブルが発生した際は現地スタッフに指示を出して対応している。

 今後、平均体重が1キロになれば初出荷する予定。山本准教授は「現地で開かれた養殖魚の試食会の反応も良かったと聞いており、市場に出せる手応えは得ている。あまり魚を食べる習慣がない内陸国のモンゴルで魚食文化が根付く一歩になれば」と話している。

(2020年07月19日 16時09分 更新)

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