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香港を舞台にした映画「2046…

 香港を舞台にした映画「2046」(ウォン・カーウァイ監督、2004年)は全編を通じ、2046という数字がちりばめられている。小説の題名だったり、部屋番号だったり。香港の人には感慨深い数字だという▼香港が英国から中国に返還されたのは1997年。中国は、50年間は香港の体制を変えないと言明した。2046年は香港が変わらずにいられる最後の年のはずだった▼実際はそれよりはるかに早く、転換期が訪れた。中国が「香港国家安全維持法」(国安法)を導入して10日がたつ。日ごとに息苦しさを増す香港の様子が伝えられている▼政府への抗議デモに参加した人々が、国家分裂や政権転覆を企てたとして逮捕されている。テレビからは政治風刺の番組が消え、公立図書館では民主活動家の著作が閲覧できなくなった▼会員制交流サイト(SNS)の書き込みも罪に問われる危険性があるとして、過去の投稿を削除する人が続出しているそうだ。私たちが目撃しているのは、言論の自由が奪われていく社会の姿だろう▼民主化運動の「女神」と呼ばれ、日本通として知られる周庭さん(23)のツイッターも更新されなくなった。国安法が施行される前、彼女は日本語でこう書き込んでいる。「日本の皆さん、自由を持っている皆さんがどれくらい幸せなのかをわかってほしい」

(2020年07月10日 08時00分 更新)

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