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スーパーフレアの観測成功 浅口の望遠鏡「せいめい」

しし座AD星(手前)のスーパーフレアの想像図。星の中央部下の白くなっている部分がフレア(国立天文台提供)
しし座AD星(手前)のスーパーフレアの想像図。星の中央部下の白くなっている部分がフレア(国立天文台提供)
 京都大付属岡山天文台(浅口市鴨方町本庄)にあるアジア最大級の口径3・8メートル光学赤外線反射望遠鏡「せいめい」が、恒星で起きる超巨大な爆発現象「スーパーフレア」の観測に成功した。短時間で大量の加速された電子が放出されている状況なども確認でき、太陽での爆発現象「フレア」と発生メカニズムが同様であることを詳細なデータに基づき初めて裏付けた。

 成功したのは、同大大学院の野上大作准教授や、博士課程3年行方宏介さん(27)らの研究チーム。昨年3月22日夜から、スーパーフレアが比較的多く発生することで知られる「しし座AD星」に望遠鏡を向け、太陽フレアの観測によく用いられる波長の光(Hα線)を測定。23日午前1時33分ごろ、光の明るさや波長の幅が突然大きくなったのをとらえた。

 観測結果を、他大学の観測施設のデータと合わせて解析。太陽フレアと同じように短時間で大量の加速された電子が放出されたことや、最大級の太陽フレアの約20倍で水爆約10億個分に相当する巨大なエネルギーが発生したことが分かった。スーパーフレアが太陽で起きる可能性、地球などの惑星に与える影響を探る上でも貴重な成果になるという。

 行方さんは「今後、より太陽に似た星を観測してスーパーフレアの発生の有無や、惑星にどのような影響を与えているのか調べたい」と話した。

 せいめいは、2018年7月に完成し、昨年2月に観測を開始した。恒星フレアを観測したのは初めてで、今回の成果は10日に日本天文学会の国際学術誌にオンライン掲載。

(2020年07月10日 00時00分 更新)

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