山陽新聞デジタル|さんデジ

レジ袋有料化 脱プラ生活への出発点に

 すべての小売店で、きょうからレジ袋が有料になる。身近な取り組みからスタートすることで、安易にプラスチック容器を使い捨てている生活を見直したい。

 スーパーやドラッグストアなどでは先行して有料化に取り組んできた。コンビニエンスストアや小規模な小売店もすべてレジ袋を有料とし、足並みをそろえる。大きさによって違うが、1枚あたり3~5円が中心になるという。

 繰り返し使うエコバッグの普及などを通じて、使い捨てからの脱却を図る狙いだ。ただ、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、レジ袋の清潔さ、便利さに注目する声がある。たまたま立ち寄ることが多いコンビニには、エコバッグを持たずに入店するケースが目立つ。

 有料でも配布を希望する人が増えれば削減効果は小さくなる。自らのバッグを清潔に保つ工夫をすることや、支払いの度にコストを意識することで、レジ袋の削減につなげていきたい。

 さらに今回、植物由来のバイオマスプラスチックや微生物が分解する生分解性のレジ袋は環境負荷が少ないとして義務対象からはずれた。制度の趣旨からすれば有料化を検討すべきではないか。

 日本で年間に排出されるプラごみは900万トンを超えている。政府は昨年、2030年までに25%削減するという目標を立てたが、レジ袋はすべて削減できたとしても2%程度にすぎない。ペットボトルや弁当容器など、生活には使い捨てのプラスチック容器があふれている。

 海洋投棄されたプラごみは海洋生物が飲み込んだり、細かく砕かれてマイクロプラスチックとなり、有害物質を付着させて魚に蓄積したりといった問題も多発している。

 日本で処理されるプラごみの6割以上は、一般ごみと一緒か固形燃料の形にされて焼却処分される。発電などにも使われている。リサイクルされるのは4分の1程度だといわれる。しかも、その半分以上は海外に輸出して処理されてきた。

 頼みの海外処理も、中国や東南アジア諸国が相次いで規制を強化している。行き先を失ったプラごみが海洋投棄される心配がある。さらに、有害廃棄物の国際的な移動を規制するバーゼル条約で、来年1月からは汚れたプラごみの輸出入ができなくなる。

 コストを抑えながら国内でリサイクルするには、技術革新も必要になろう。条約に沿って、海外の手を借りるなら、分別や洗浄を徹底しなければならない。これまでのように輸出して手を離せば終わりではなく、途上国への技術移転も忘れてはならない。

 こうした多くの課題を克服するためにも、プラごみの全体量を削減することが先決だろう。国民一人一人が使い捨て生活を見直す必要がある。レジ袋有料化を、その出発点ととらえたい。

(2020年07月01日 08時00分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ