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ウィズコロナ~あなたの在り方は

筆者は新型コロナ禍の下、息子の入院も重なって「普通の生活のありがたさ」をしみじみ感じました
筆者は新型コロナ禍の下、息子の入院も重なって「普通の生活のありがたさ」をしみじみ感じました
 新型コロナウイルスとともにある生活(ウィズコロナ)、新しい日常を受け入れ、危険性を意識しながら日々の暮らしを送るスタイルはあっという間に浸透しました。
 
 その中でもリモートで仕事をすることが普通になり、今まで直接会っていたときよりも「(いろんな意味で)楽でいい」という声が回りから聞こえてきます。いろんな意味という中には、通勤の移動をしなくて楽でいいこともありますが、一緒にいることで感じていた精神的な苦痛がずいぶんマシになることも含まれています。私自身もそう感じる体験をしました。

 企業の中にはこのままずっとリモートでという動きも見られますが、これは経済効率だけでなく、リモートでの仕事が働く人の精神的メリットを多くの人が実感したことが一要因であるように思います。
 
 こうなると、一緒にいたい人、あるいは、直接会いたいと思える大事な人は誰なのか、考えずにはいられません。反対に、自分は誰かからそう思われているのかということも気になります。

 そんな中、私も小学生の息子がけがのため入院しました。わが家の緊急事態宣言です。コロナ禍で病院の付き添いは原則一人と依頼され、息子の世話、仕事の調整、学校との連絡など最初の1週間は心身ともに疲れました。
 
 人は危機を経験すると、本質が見えるようになると聞きますが、私はコロナ禍と息子の入院というある種ダブルの危機と不自由な生活を体験してみて、改めて普通の生活のありがたさを感じるとともに、こういうとき、力になってくれる人、思いやってくださる人たちに対して感謝の念が自然と湧いてきました。病院の先生や看護師さんの懸命な処置は言葉に尽くせないほどで、コロナ禍による差別のために職を離れる人がいると聞きますが、無くてはならない存在だと改めて感じました。

 連日報道される新型コロナウイルスのまん延は、社会を、人を、大きく変え続けています。

 それは良くも悪くも自分の周りの人たちの本質をあぶり出してくれているようにも見えますし、本当に大切だと思える人を教えてくれる機会のようでもあります。

 世界保健機関(WHO)は、世界における新型コロナの最悪期はこれからだと発表しています。

 ウィズコロナによって変化を迫られた身近な人たちの言動を横目でみながら、自分との今後の関係と、何より自分自身の在り方を引き続き考えていきたいと思うのです。

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 小畑千晴(おばた・ちはる)岡山県立大学保健福祉学部准教授。臨床心理士。武庫川女子大学大学院修了後、岡山大学男女共同参画室助教、徳島文理大学心理学科准教授などを歴任。ドメスティックバイオレンス、摂食障害、女性の両立問題などをテーマに研究を行っている。1973年岐阜県生まれ。

(2020年06月30日 19時05分 更新)

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