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豪雨被災のバルーンナマズ披露へ 大屋准教授ら、岡山で8月企画展

仮展示したバルーン天神ナマズと制作した大屋さん(左)ら=13日、岡山県天神山文化プラザ
仮展示したバルーン天神ナマズと制作した大屋さん(左)ら=13日、岡山県天神山文化プラザ
 被災の大ナマズ、2年越しの披露へ―。西日本豪雨で倉敷市真備町の工房が水没した倉敷芸術科学大特担准教授の大屋努さん(42)らのグループが、完成直前で泥水にのまれた巨大アート「バルーン天神ナマズ」を再制作している。「厄災からの復活の象徴になれば」と8月、新型コロナウイルスの影響で展覧会や公演の中止が続く岡山県天神山文化プラザ(岡山市北区天神町)で初展示する。

 バルーンナマズは、同プラザ中庭にある流木アート「天神鯰(なまず)」に着想した全長9メートル、幅4メートルの白いナイロン製。会場に設置したセンサーで鑑賞者の動きを感知し、目をきょろきょろ動かしたり、しっぽやひれをゆったりはためかせたりし、体内に仕掛けた電飾の色を変化させる。

 2018年8月に開かれた同プラザの展覧会に出品するため、芸術工学が専門の大屋さんとものづくりグループ・グリーンファブ玉島が企画。倉敷芸術科学大の「まちなか研究室まび デジタル工房」(倉敷市真備町箭田)で作業を進めていたが、ほぼ出来上がっていた7月7日、工房が水没した。作品は泥にまみれ、3Dプリンターやデジタルミシンなど機材も損壊。「ぼうぜんとするしかなかった」と大屋さん。

 幸い設計データは自宅のパソコンに保存していたため、昨年2月に工房が復旧したのを機に同プラザと再制作を検討し、今夏のパフォーマンスイベントで披露することにした。ところが、ウイルス禍でイベントが中止に。「またか」と落胆したものの、文化活動の停滞を憂えた同プラザが「こんな時だからこそ、誰もが楽しめるアートを」と、バルーンナマズのための企画展を急きょ立ち上げた。

 企画展は8月26日~9月6日、同プラザの2階ロビーで開催。スマートフォンをかざすと手のひらにナマズのイラストが浮かぶバーチャル体験なども楽しめる。大屋さんは「コロナで閉そく感が漂う日常をひととき離れ、見た人が笑顔になれる作品にしたい」と話している。

「西日本豪雨2年」特集サイトはこちら

(2020年06月28日 19時43分 更新)

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