山陽新聞デジタル|さんデジ

岡山銃撃事件から1週間 「組織的な関与」裏付け焦点

池田組本部事務所に使用制限の標章を張る岡山県警の捜査員=5日午前10時32分、岡山市北区田町
池田組本部事務所に使用制限の標章を張る岡山県警の捜査員=5日午前10時32分、岡山市北区田町
 特定抗争指定暴力団神戸山口組系池田組(岡山市北区田町)の男性幹部(58)=愛媛県四国中央市=が組事務所付近で銃撃され、銃刀法違反の疑いで特定抗争指定暴力団山口組系組幹部の男が逮捕された事件は、6日で発生から1週間。岡山県警は山口組と神戸山口組による対立抗争事件とほぼ断定、組の活動を厳しく制限する「警戒区域」の指定も視野に捜査を進めている。男は調べに、独断で犯行に及んだことを示唆しており、組織の関与をどこまで裏付けられるかが焦点となりそうだ。

 駐車場で立ち話をする男性幹部に黒い服の男が近づき、おもむろに銃口を向けた―。現場近くの防犯カメラが発砲の瞬間を捉えていた。男性幹部は腹部に銃弾1発を受けて重傷。男は乗用車に乗り込み、助手席側にしがみついた組員を振り落として逃走した。わずか1分間の出来事だった。

 県警は約30分後、北西約2キロの路上で車内に拳銃1丁を隠し持っていた山口組系大同会(鳥取県米子市)の幹部岸本晃生容疑者(52)=同市古豊千=を現行犯逮捕。銃撃の実行犯とみて殺人未遂容疑でも事情を聴く。岸本容疑者は警察官に発見された際も逃走するそぶりはなく「逮捕されることを覚悟した上での示威行為」(捜査関係者)との見方を強めている。

 事件の発端は2015年8月の山口組分裂だ。山口組と神戸山口組が「対立抗争状態にある」と警察庁が認定した16年3月以降、全国で76件、岡山県内でも5件の抗争事件が発生。同5月には同じく池田組の幹部=当時(55)=が岡山市内で山口組系の元組員に射殺されており、今回の事件はこの幹部の法要が営まれた直後だった。

 捜査関係者によると、今回銃撃された男性幹部はかつて山口組系大石組(岡山市北区)に所属し、山口組の分裂後、他の組員を引き連れて池田組に移籍。一方、大同会は大石組と近い関係にあり、男性幹部は移籍への報復として銃撃された可能性がある。

 さらに岡山県内の“勢力図”も事件の背景にあるとされる。全国では山口組系の構成員数が神戸山口組系の3倍に上るが、県内は神戸山口組系が7割以上。このため山口組は高山清司若頭が昨年10月に出所後、県内で勢力拡大へ攻勢を強めているとの情報もある。

 県警はそうした状況も踏まえ、池田組本部事務所がある岡山市の警戒区域指定について警察庁と協議する。山口組総本部のある神戸市など警戒区域の10市では今年1月の指定後、死傷者が出る抗争事件が起きておらず、一定の抑止効果が見込めるためだ。

 これまでの県警の調べに、岸本容疑者は銃撃を認める趣旨を供述する一方、組からの指示などについては口を閉ざしているという。ある捜査関係者は「警戒区域指定の必要性を見極めるためにも、事件の全容を解明したい」としており、県警は岸本容疑者の携帯電話の履歴や拳銃の入手ルートなどを調べ、背後関係の捜査に全力を挙げる方針だ。

(2020年06月06日 08時01分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ