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需要回復へ営業再開 県内宿泊施設 感染予防徹底、地元客プランも

感染予防のため透明シートを設置したホテルグランヴィア岡山のフロント。対策を尽くして需要回復を目指す
感染予防のため透明シートを設置したホテルグランヴィア岡山のフロント。対策を尽くして需要回復を目指す
 新型コロナウイルス感染症の影響で一時は半数以上が臨時休業していた岡山県内のホテルや旅館の多くが、6月に入って宿泊者の受け入れを再開している。各施設は落ち込んだ需要の回復を目指し、感染予防対策を尽くしつつ、人の移動が戻り始めている県内客向けのプランなどを打ち出している。

 4月上旬から臨時休業していた倉敷美観地区の老舗・吉井旅館(倉敷市本町)は1日、約2カ月ぶりに営業を再開した。備品の消毒や従業員のマスク着用に加え、口頭で説明していた館内の案内を文書にしたり、チェックアウト時の手続きを客室で済ませたりして人と人の接触を減らす。

 永井圭子女将(おかみ)は「新型コロナと向き合う生活様式が求められる中、旅館でも客の反応を見ながら、新しいおもてなしの形を探っていきたい」と話す。

 県旅館ホテル生活衛生同業組合(岡山市、約140施設)では、1日時点で組合員の9割以上が宿泊営業を通常に戻している。ゴールデンウイーク中は最大6割が臨時休業したが、緊急事態宣言の全面解除(5月25日)を受けて徐々に休業を緩和。ただ同市中心部の複数の地場ホテルによると、客室稼働率は少しずつ上向いてきたものの20~30%台にとどまり、特に観光目的の客はわずかという。

 こうした中、ホテルグランヴィア岡山(同市北区駅元町)は、感染再拡大の兆候がある首都圏などよりも集客が見込める地元客に着目。県内在住者向けにコースディナーや館内プールの利用券が付く宿泊プランの販売を始めた。

 接客面では客に体調を聞くアンケートを行い、朝食バイキングを定食に代えるなど衛生対策も強化。担当者は「まだ遠方に出掛けることを控えている家族らも多いはず。近くて安全な非日常空間で、旅行気分を味わってほしい」と呼び掛ける。

 1日から再び営業を始めた倉敷アイビースクエア(倉敷市本町)も今後、県民向けプランを売り出す予定。さらに需要回復に向けては、宿泊業者による特典付き宿泊プランの前売りを同市が支援する事業「倉敷みらい旅」も活用。ホテルの土産物店で利用できるクーポン券を用意してアピールする。

 アイビースクエアは「今すぐは無理でも事態が収束してから来てくれる人を増やしたい。県民にも気軽に泊まってもらい、倉敷の魅力を再確認する機会にしてほしい」とする。

(2020年06月06日 09時03分 更新)

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