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車に乗ったお客が次々に買い求め…

 車に乗ったお客が次々に買い求めていた。お目当ては、箱に満載された岡山県産の有機無農薬などの野菜だ。先日、地元農産物を提供する岡山市中心部の洋食店が試みたドライブスルー方式での販売である▼コロナ禍により、ブランド化された農産物も打撃を受けた。主にレストランや百貨店で扱われることから、外食の需要縮小や店舗休業で行き先を失った。店で出す野菜を作ってくれる農家を支援するため、洋食店が新たな販路を開拓した形だ▼この日、岡山の特産化が進められてきた黄ニラとパクチーのセットも売られた。感染者の多い東京への出荷が大半だったために影響が大きい。生産農家からは「もっと地元の人にも食べてもらいたい」と戦略を見直す声も聞かれた▼各地で特産の農水産品の売り上げが急減し、宮崎県は地産地消による“応援消費”を呼びかける。高知県は6、7月を「地産地消を進める月間」とした。県産品の消費拡大とともに、移動制限が残る中での地域振興に向けて県内観光を促進する▼危機の中で浮き彫りになったのは、足元の地域で経済を回す大切さだ。グローバル化が進むのに任せ、外部依存を強めるだけでは危うい、と気付かされる▼消費者として地元の産品などを優先することはできる。ウイルスと共に生きざるを得ない時代に、地域を守る術となる。

(2020年06月01日 08時00分 更新)

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