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岡山県内高校、売り込みに苦慮 コロナでオープンスクール開けず

オープンスクールの開催方法について検討する一宮高の教諭=25日
オープンスクールの開催方法について検討する一宮高の教諭=25日
 新型コロナウイルスの影響を受け、岡山県内の高校がオープンスクールを開けずにいる。これから夏休みにかけては、進路を決めかねている受験生に学校の魅力を売り込む絶好の機会だが、大人数が集まるため感染拡大を助長する恐れがあるからだ。県教委は、8月末までの大規模開催を禁止した。それでも各校は、インターネットを活用したりして開催できないか模索している。

 「毎年オープンスクールで入学を決める生徒が多い。この時期にアピールできないのは正直とても痛い」

 今月23日に開催する計画だった一宮(岡山市)の片山肇指導教諭は悔しそうに話す。

 同高は毎年、年2回のオープンスクールを実施し、2019年度は計約1400人が訪れた。今年は5、8月に開く予定だったが、ともに中止を決めた。動画配信のほか、少人数の地域説明会などの開催を検討している。

■魅力発信

 19年度に県立高でオープンスクールを開催したのは全51校。今年も10月までに全校が開くが、県教委は現時点で、8月末まで100人以上が集まるのを禁止しているため、その間に予定されていた49校(計65回)は中止や延期、開催方法の変更をせざるを得なくなった。

 実業高校にとっては特性をアピールする貴重な場だが、笠岡工業(笠岡市)は7、8月に2回予定していたオープンスクールを中止する。例年ロボットを使った実習やものづくり体験などが好評で、「他校と違った魅力を発信できる機会だったが、仕方ない」と話す。勝間田(勝央町)も8月のオープンスクールを10月に延期する方向で調整している。このほか、総社南(総社市)は対面で実施せず、授業や部活動の様子を動画で紹介する専用のホームページ(HP)を立ち上げる。

 私立でも中止や延期の対応が相次ぐ。創志学園(岡山市)は11月までに4回行うオープンスクールのうち、初回の6月20日はウェブ開催で対応。授業風景などを約30分間の動画にまとめ、48時間限定でHPに公開する。

 川崎医科大付属(倉敷市)は5月に東京、福岡、名古屋、大阪の4都市で予定していた学校説明会を中止した。金光学園(浅口市)は7月までのオープンスクールや説明会の計11回を双方向のオンライン配信で実施する。

■判断材料

 一方で、中学生にとってオープンスクールは進路選択のための大きな判断材料。ほとんどの生徒が、自分が受験する予定の高校のオープンスクールに参加する。津山市立鶴山中で進路指導を担当する小川浩教諭は「公立と私立など複数行く生徒も多く、自分の目で学校を見ておく意義は大きい」と強調する。

 岡山市立芳泉中の小倉明子教頭は「例年この時期に多くの高校からオープンスクールの案内が届くが、今年はほとんど来ていない。早く状況が分かればありがたい」とする。

 同市内の中学3年女子は「授業や部活の雰囲気を知らないまま入学してしまうと、思っていたのと違っていたら困る。普段は高校との接点がないのでオープンスクールにはぜひ参加したい」と話す。

 県教委高校教育課は「受験生のため、早めに県立高の開催状況を示したい」として7月ごろにまとめてHPなどで公表する予定だ。

(2020年05月31日 09時23分 更新)

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