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江戸期の数学書「塵劫記」には大…

 江戸期の数学書「塵劫記(じんこうき)」には大きい数や小さい数についての記述がある。億や兆などよりもっと大きな数の位の名前としては、那由他(なゆた)、不可思議など。反対に小さな数では、分や厘をはじめ、塵(じん)や埃(あい)などがある(矢野健太郎著「暮(くら)しの数学」)▼数字で表現すれば、塵は10億分の1、埃は100億分の1。「ちり」「ほこり」とも読む漢字の意味の通り、見えないほどの小ささを表している▼あたかも蒸発したかのように、一気に小さくなったのがコロナ禍での観光需要である。国内外からの旅行客が消え、関連業者の倒産が相次ぐ。ただ、緊急事態宣言が解除され、観光地も再開へ動き始めた▼瀬戸内エリアの観光関連事業者を応援する取り組みも始まる。観光振興の官民組織「せとうちDMO」(広島市)が来月上旬に開設するインターネットの通販サイトだ。農水産物や加工品といった地場産品を販売し、売上高の15%をホテルや旅館、娯楽施設などの支援に活用する▼支援される事業者は割引、無料券などを返礼品として用意し、購買者が支援先を選ぶ。集客に苦慮する地域の事業者に資金を速やかに供給し、感染収束後の誘客にもつなげる仕組みが興味深い▼コロナ禍で近回りの観光が注目されている。当方も微力ながら応援してみようか。「ちりも積もれば…」とのことわざもある。

(2020年05月30日 08時00分 更新)

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