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タクシー3社運転手100人解雇 5月末に八晃運輸 コロナで客激減

観光客や出張客の減少でタクシーの乗車率が落ち込む中、数時間の客待ちも珍しくないという=JR岡山駅
観光客や出張客の減少でタクシーの乗車率が落ち込む中、数時間の客待ちも珍しくないという=JR岡山駅
 「サンタクシー」を運行する地場タクシー大手・八晃運輸(岡山市中区平井)は29日、新型コロナウイルスの影響で売り上げが激減したため、グループ3社の運転手の半数に当たる約100人を今月末で解雇することを明らかにした。

 岡山労働局は、新型コロナによる業績悪化を一因とする岡山県内の解雇者について、宿泊、飲食、運輸、製造業で計126人(26日現在)を把握しているが「これだけの規模は初めて」という。

 3社は八晃運輸(登録台数220台)、吉備交通(同市南区松浜町、90台)、大和交通(同市中区平井、60台)。運転手は計約220人おり、パート従業員を中心とした約100人に4月下旬、5月31日付で解雇すると通告したという。

 八晃運輸によると、新型コロナの影響で2月から売り上げが減り始め、3月は前年同月より3割減。4、5月は6~7割減で推移している。成石敏昭社長は「客足が戻る時期も見通せず、会社の存続のため苦渋の決断をした」と説明。6月中に、営業台数を一時的に減らす「休車」を中国運輸局岡山運輸支局に届け出るとしている。

 八晃運輸はタクシーのほか、2012年から岡山市内で循環バス「めぐりん」を運行。吉備交通、大和交通とともにサンタクシーグループとして事業を展開しており、3社合わせた従業員は約350人という。

 同支局に届けられている県内のタクシーは25日現在、3246台。

岡山県内タクシー業界に逆風―緊急事態解除も需要回復見込めず

 新型コロナウイルスの影響で、サンタクシーグループに限らず岡山県内のタクシー業界は逆風にさらされている。イベントや外出の自粛から利用客が大幅に減少。緊急事態宣言は解除されたものの、すぐに需要回復は見込めず先行きは見通せない。

 「夕方から12時間乗ってお客は3、4人。売り上げが1万円に届かない日がほとんど」。岡山市中心部で客待ちしていたタクシー運転手男性(51)が肩を落とす。

 タクシー約180台を抱える下電観光バス(同市)では、4、5月の売り上げは前年の6割減。運転手に有給休暇を取ってもらうなどしているが、三秋潔タクシー事業部長は「この状況が続けばいつまで耐えられるか」と顔を曇らせる。

 県タクシー協会によると、県内140事業者の5月の売上高は前年比5~8割減という。こうした状況に、両備グループの岡山交通(同市)は4月、運転手約400人の8割を自宅待機。東和タクシー(同市)も一時、全車両の半数に当たる20台と運転手約20人を休ませた。両社とも休業手当などに、国の雇用調整助成金や持続化給付金を見込むが「受け取りはまだ先になりそう。もらえなかったり遅れたりすると経営が立ちゆかなくなる」と梶川信和・東和タクシー社長。

 客を乗せず荷物だけを運べるようにした国土交通省の特例措置を受け、平和タクシー(同市)は飲食店の料理の宅配を始めた。同様の取り組みは倉敷、津山、玉野市などの他の事業者にも広がっている。さらに中国運輸局は、車両を一時的に営業に使わない「休車」も特例措置とした。3カ月ごとの定期点検や車検を免除、任意保険も休止できることから、岡山運輸支局には25日までに9事業者が計47台を届け出ている。

 4月末から6台を休車にしている日の丸タクシー(倉敷市)。6月から全43台を稼働させる予定だが、平井啓之社長は「夜間と比べ売り上げの回復が見込める昼に重点配置したい。それでもどこまで落ち込みをカバーできるか」と不安を隠さない。

(2020年05月30日 08時01分 更新)

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