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3密懸念、災害時の避難所見直し 県内自治体、民間施設や車中泊も

西日本豪雨災害時に倉敷市真備町地区に開設された避難所。新型コロナウイルス感染防止のため、密を避ける対策が求められている=2018年7月8日
西日本豪雨災害時に倉敷市真備町地区に開設された避難所。新型コロナウイルス感染防止のため、密を避ける対策が求められている=2018年7月8日
 新型コロナウイルス感染症の脅威が収まらない中、岡山県内の自治体が災害時の避難所の在り方について見直しに迫られている。住民が押し寄せて3密(密閉、密集、密接)が避けられない場面が想定されるためで、国は通常の災害時より多く開設するなどの対処方針を通知。各自治体は避難所の運用面で対応する計画を立てるとともに、民間施設活用による増設や駐車場での車中泊を検討する動きも出ている。

 避難所での新型コロナ対策として、国は4月上旬に対処方針をまとめて都道府県などに通知。可能な限り多くの避難所の開設▽親戚や友人宅への避難の検討▽避難所の衛生環境の確保▽発熱者らの専用スペース―などを求めている。

 岡山、倉敷市は避難所に多くの人が集まりすぎないよう運用面での見直しを進める。「一世帯ごとの間隔を2メートル確保するのが目安で、これまでの3~4倍のスペースが必要」(岡山市危機管理室)としており、学校では体育館に加えて従来以上に教室などを利用していく方針。それでも密が懸念される場合には、被害が少ない地区などに移動してもらう計画で、倉敷市はバスの運行も計画する。

 さらに、両市と津山市は避難所の増設を図るため、民間のホテルや旅館を活用することの検討を始めた。倉敷市防災危機管理室は「広範囲に被害が及ぶ災害時に備える必要がある」とし、津山市危機管理室は「増設しようにも公的施設の大半は既に避難所となっており、民間施設に目を向けた」と説明する。

 一方で、宿泊施設が少ない新見市は、車中避難も現実的な選択肢と捉えて対策を練る。健康面に配慮しつつ、車中泊も視野に入れ、工場やグラウンドの駐車場を避難場所として確保する考えだ。

 発熱者ら有症者への対応も求められる。岡山市は避難所の受付時に検温や簡単な問診で症状の有無を確認。有症者向けには、避難所内に専用スペースを設ける案を提示している。

 県危機管理課は「災害時の避難所はただでさえ混乱することが予想されるが、新型コロナ対応で拍車が掛かることが懸念される」と指摘。そのうえで「避難所対応の人員はこれまで以上に必要となるはずで、住民も巻き込んで協力してもらえる態勢づくりを考えていく必要がある」としている。

(2020年05月28日 19時31分 更新)

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