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新種判明…きっかけは観察会 倉敷・自然史博物館の昆虫2種

ミヤマアザミカミナリハムシ=末長晴輝さん提供
ミヤマアザミカミナリハムシ=末長晴輝さん提供
オカヤマクロチビジョウカイ=高橋直樹さん提供
オカヤマクロチビジョウカイ=高橋直樹さん提供
 倉敷市立自然史博物館(同市中央)が収蔵する昆虫標本のうち2種が、研究者らによって新種と判明した。ハムシ科とジョウカイボン科の昆虫で、いずれも既存種に比べて雄の交尾器の形状が異なることなどから認められた。同博物館の主催行事で採集された個体で、学芸員は「一般参加の観察会で新種が見つかるのは珍しい。誰でも発見者になれるという期待が膨らむ成果」と話している。

 2種は4、5月に研究論文が学会誌に掲載された。ハムシ科のミヤマアザミカミナリハムシは、体長4・03~5・4ミリで、北海道と本州の冷涼地に分布。2005年に真庭市で開かれた同館事業の「むしむし探検隊」の活動中に採集された。

 探検隊は、小学5年~高校3年の子どもたちが参加する教育普及プログラムで、当時高校2年だった末長晴輝さん(31)=倉敷市=が発見。その後もアマチュアとして研究を続け、発表した。

 ジョウカイボン科のオカヤマクロチビジョウカイは体長3・2~4・9ミリで、兵庫から山口県などに分布する。九州大総合研究博物館研究員の高橋直樹さん(49)ら2人が、倉敷市立自然史博物館収蔵の標本などを用いて発表した。

 今後、種を定義づける際に使われる標本にも、1998年に加茂川町(現吉備中央町)で行った自然観察会(同博物館主催)の会場で見つかった個体が選ばれた。

 同博物館の奥島雄一学芸員によると、2種とも外見から既存種との違いを見極めるのは困難という。一方で、日本では年間約200種の新種が見つかっており、奥島さんは「今回のようにイベントで見つけた昆虫が、後に新種になることがある。新型コロナウイルスの影響で次回の自然観察会などは未定だが、楽しみに待っていてほしい」と話している。

(2020年05月29日 11時24分 更新)

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