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岡山の店頭でもマスク続々 異業種参入で値引き合戦も

岡山市中心部の店舗前に並べられた箱入りマスク。「最近はいろんな所に出回っていて、売れ行きに影響が出ている」と従業員は言う
岡山市中心部の店舗前に並べられた箱入りマスク。「最近はいろんな所に出回っていて、売れ行きに影響が出ている」と従業員は言う
21日から使い捨てマスクの販売を始めた「ミューズカオサンロード」=岡山市北区表町
21日から使い捨てマスクの販売を始めた「ミューズカオサンロード」=岡山市北区表町
50枚入りマスクの箱が並ぶ「キングファミリー岡山大安寺店」。ここ1カ月で数回にわたり、販売価格を引き下げた=岡山市北区野殿東町
50枚入りマスクの箱が並ぶ「キングファミリー岡山大安寺店」。ここ1カ月で数回にわたり、販売価格を引き下げた=岡山市北区野殿東町
 新型コロナウイルスの感染拡大で品薄となっていた使い捨てマスクが、ここにきて急速に出回り始めている。中国産製品の流通が拡大した影響とみられ、岡山市内では雑貨店や衣料品店といった異業種が続々と扱うようになった。店側を取材すると、コロナ禍に伴う売り上げの落ち込みをマスク販売でカバーしようとする狙いが見える一方で、「もはや飽和状態。在庫をさばけるか心配」といった声も聞かれる。

 「店先の張り紙を見て、思わず飛び込みました」。60代の女性会社員=同市中区=は21日夕、表町商店街内の雑貨店「ミューズカオサンロード」(同市北区表町)で、5枚入り398円(税別)のマスクを購入した。「買い置きはあるけれど、もう少し予備を確保しておきたくて。でも、この店で売っているとは意外でしたね」

 おしゃれなアクセサリーやバッグ、装飾品などがずらりと並ぶ同店。この日から販売を始めたばかりの使い捨てマスクは、店内でちょっと浮いた存在だが、藤井紘美リーダーは「まだコロナで大変な時期が続いているので需要はある。マスクはなくてはならないもの。おしゃれで高価なものよりも、安く手軽に買える方が喜ばれるでしょう」と話す。販売は当面続ける予定だ。

 各種バッグ販売の「KABAN‐YA」(同市北区大元上町)は4月末から取り扱いを始めた。5枚入り600円(税別)。外出自粛や旅行需要が落ち込んだのが響き、ここ2カ月間の売り上げは前年同期比4割減と厳しく、「わずかでも売り上げの足しになれば」と青山茂社長。500セット仕入れたところ、これまでに9割が売れたという。

 一方、ここにきてマスクの流通量が増えたことで、ネット販売を含め、一部では値引き合戦の様相も呈してきた。4月中旬から店頭販売を始めた衣料・服飾雑貨のリサイクルショップ「キングファミリー岡山大安寺店」(同市北区野殿東町)は、段階的に価格を引き下げてきた結果、21日現在の5枚入り249円、50枚入り1900円(いずれも税別)は、当初価格の約4割引きの水準。

 4月末から扱っている表町商店街内の婦人服店「マルオカヤ」も、当初の税別3500円を3000円に改定した。ここ数日はほとんど売れていないというが、「仕入れ原価を考えるとこれ以上値引くのは難しい」と従業員女性。「うちは服を買ってもらってこそ意味がある店。マスクが売れるよりも、コロナが一日でも早く収まって、みんなが安心して買い物に出掛けられる日が来てほしい」

 各店舗が販売しているのはいずれも中国製。「ふだんの取引先を通じて仕入れた」「経営者のつてで買い集めたと聞いている」などと、それぞれ個別ルートでマスクを仕入れたことがうかがえた。ゴールデンウイーク中から販売を始めた市中心部のある店舗従業員は「うちは大丈夫だったが、中には粗悪品をつかまされている所もある。最近は値段を下げないと売れないし、原価割れのケースも聞く。安易に手を出して頭を抱えているという事例は多いのでは」と見る。また、ほかの店舗からは「ほぼ原価で販売しているのに『コロナで金儲けしている』などと誤解される」とこぼす声も相次いだ。

(2020年05月23日 15時17分 更新)

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