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撫川うちわの制作大詰め 岡山の工房 職人が一つ一つ手作り

一つずつ手作業で作られている撫川うちわ=岡山市北区東花尻
一つずつ手作業で作られている撫川うちわ=岡山市北区東花尻
 夏本番を前に岡山県郷土伝統的工芸品「撫川うちわ」の制作が岡山市で大詰めを迎えている。職人が一つ一つ手作りしたうちわには、ホタルやアサガオが描かれ、涼を感じさせる。

 撫川うちわは、江戸時代に三河(現在の愛知県)から伝わったとされ、岡山市の撫川地区で盛んに作られてきた。細く割った竹で骨組みし、和紙を貼り合わせる。松尾芭蕉らの俳句を一筆書きで雲の模様のように書き連ねた「歌つぎ」と、光にかざして絵柄を浮かび上がらせる「すかし」の技法が特徴という。

 現在、作り手は保存会「三杉堂」のメンバー5人のみ。中心となる石原文雄(号・中山)さん(82)=同市北区=の工房では和紙を骨組みに貼る最終工程が行われている。完成したうちわは、県内の特産品を扱う「晴れの国おかやま館」(同表町)で1本1万円前後で販売される。

 新型コロナウイルスの影響で、市内の百貨店で6月に開催予定だった実演販売が中止になり、地元の公民館で続けている制作体験も3月から休止中。石原さんは「影響は大きいが、伝統の技術を絶やさないよう今年の夏も多くの人にうちわの魅力を感じてもらいたい」と話している。

(2020年05月21日 22時08分 更新)

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