山陽新聞デジタル|さんデジ

県立高でオンライン導入続々 環境の差解消が課題

ノートパソコンからライブ配信の授業をする林野高の瀬田教諭=11日
ノートパソコンからライブ配信の授業をする林野高の瀬田教諭=11日
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休校が続く岡山県立高で、インターネットを使って学校と家庭を結ぶ双方向のオンライン授業の導入が進んでいる。全国一斉の休校が始まった3月当初は私立の一部にとどまっていたものの、長期化を受けて各校が準備を急いだ。一方で、学校間でICT(情報通信技術)環境にも差があり、いかに解消するかが今後の課題となりそうだ。

 「分からないところはチャットやメッセージ機能なども使いながら何でも質問して」

 林野(美作市)で11日、化学を担当する瀬田幸一郎教諭がノートパソコンを使い、生徒のいない教室で個体や液体といった物質の状態変化を説明しながら、こう呼び掛けた。画面の向こう側では2年生約30人が自宅から授業を受けている。

 2度目の休校が決まった4月20日以降、国語、数学、理科などでライブ配信するオンライン授業を実施。瀬田教諭は「受験が迫る3年生からありがたいという声も聞いている。より多くの教科に拡大していけるよう体制を整えたい」と話す。

時間割

 
 瀬戸(岡山市)でも、会議用アプリを使ってオンラインのホームルームや授業を実施。1日は、岡山赤十字病院(同市)を中継でつなぎ、生徒と教員計20人が参加し、看護の現場について学ぶ特別講演会を開催した。

 「移動せずに自宅にいながら貴重な話が聞ける良い機会だった。生徒も将来の職業選択の参考になったと思う」と同校。今後は岡山大大学院教授を招いた講座も予定している。

 笠岡(笠岡市)は地理、化学、漢文、英語などでオンライン授業が始まり、収録した教員自作の動画の配信も含めると主要5教科はほとんど遠隔で指導している。高梁(高梁市)もオンライン授業の時間割を作成し、計画的に配信している。

 このほか、岡山工業(岡山市)、和気閑谷(和気町)、総社南(総社市)などでも同様の動きがある。

方向性


 一方で、オンライン授業の導入に踏み切れない高校もある。県北部のある県立高教頭は「生徒の1割は自宅にインターネット環境がなく、3割はタブレット端末やパソコンを持っていない。完全にオンラインにかじを切るのは難しい」、県南部の県立高教頭は「教員間でもICTの活用について知識の差があり、なかなか方向性が一致しないのが悩みどころ」と漏らす。

 林野は米国の大手IT企業と連携し、全生徒約360人が1台ずつ所有しているノートパソコンを活用しているが、家庭での通信環境が全て整っているわけではない。瀬戸、笠岡はパソコンを所持していない生徒らには学校のパソコン室を特別に開放している。

 県教委高校教育課は「休校が続き、授業が受けられない生徒の学びの機会を保障するためにも、スピード感を持ってICT環境の整備を進めたい」としている。

(2020年05月19日 16時15分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ