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待機児童ゼロ 目標達成できず 岡山市、4月時点で259人

岡山市の待機児童問題について説明する大森市長
岡山市の待機児童問題について説明する大森市長
待機児童ゼロ 目標達成できず 岡山市、4月時点で259人
 岡山市は13日、市内の認可保育施設に入園できなかった待機児童数が4月1日時点で259人だったと発表した。全国で4番目に多かった前年の353人から94人減少したものの、同月までにゼロとする目標を達成できず、2022年4月までに解消する新たな目標を示した。

 認可保育施設に申し込んだ1万8716人(前年同期比432人増)のうち、入園者は1万7330人。入園できなかった1386人から、認可外の企業主導型保育所などを利用する360人、特定の保育所を希望して調整のつかない593人などを除いた人数を待機児とした。

 市の待機児は16年4月に全国で2番目に多い729人となり、今年4月までにゼロとする目標を設け、施設整備などで約3400人分の受け皿をつくった。だが、幼児教育・保育無償化で希望者が予想を超えて増加した上、保育士不足で36%の認可施設で定員を下回る受け入れしかできなかった。

 大森雅夫市長は記者会見で「目標が達成できず、市民に申し訳ない。潜在保育士の掘り起こしなど人員確保に努め、待機児童ゼロに向けて最善を尽くす」と述べた。

 全国集計の公表は秋の見込み。

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 岡山市が13日に発表した4月の待機児童数は3年連続で減少して259人になったが、目標の待機児ゼロには届かなかった。最大の課題である保育士不足の解消は簡単でなく、保育施設からは市に対し、人材確保でさらなる支援を求める声が上がる。新たに待機児ゼロの目標と掲げた2022年4月まで、険しい道のりが続きそうだ。

 「働きたくて0歳の時から毎年入園を申し込んだ。ようやく今年から入れた」と話すのは、竜之口保育園(中区国府市場)に4歳の娘を預けるパートの女性(43)。

 田辺さんが初めて入園を申し込んだ16年の待機児は729人。全国2番目に多い数字で、以降も高止まりで推移してきた。

 市はハード整備を進めて毎年千人規模で定員を増やす一方、保育士を確保するため、民間保育士の賃金の2%上乗せ、奨学金の返済助成、宿舎の借り上げ支援などの手を打ってきた。16年から19年の間に512人の増員を実現させた。

 それでも保育無償化などによる入園希望者の増加に対応しきれず、4月現在、市全体で約70人の保育士が不足。各施設で定員割れを招いている。

 竜之口保育園でも保育士が足りず、定員120人に対し、受け入れできたのは110人にとどまる。市私立認可保育園・認定こども園園長会長も務める高山学園長は「一人でも多くの子を受け入れるため、各園は保育士確保に努めているが限界。市には待遇向上や、パソコン導入など働く環境の改善でさらに汗をかいてほしい」と訴える。

 市は本年度、保育士の賃金上乗せ幅を3%に引き上げるなど支援を強化する。若手に多い離職を減らすため、園長OBが仕事や人間関係の悩み相談を受ける事業も今月スタートさせた。

 13日に記者会見した大森雅夫市長は「保育士は全国で取り合いの状態だ」と述べた。

(2020年05月13日 12時18分 更新)

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