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古墳の主は幼い後継者? 津山の桑山3号墳で子ども人骨

桑山3号墳で見つかった箱式石棺。被葬者の頭部付近には枕としての須恵器が収められ、足元には多数の鉄鏃が並んでいた(岡山県古代吉備文化財センター提供)
桑山3号墳で見つかった箱式石棺。被葬者の頭部付近には枕としての須恵器が収められ、足元には多数の鉄鏃が並んでいた(岡山県古代吉備文化財センター提供)
古墳の主は幼い後継者? 津山の桑山3号墳で子ども人骨
 古墳の主は幼い後継者? 岡山県古代吉備文化財センターが昨年度調査した桑山3号墳(津山市平福)で、武器や玉類など多くの副葬品を伴う子どもの人骨が見つかったことが分かった。多量の副葬品を持つ子どもの古墳埋葬は全国的にも珍しく、“小さな被葬者”が特別な地位にあったことを示しているという。

 桑山3号墳は同市南西部の佐良山古墳群の一つで、6世紀半ば(古墳時代後期)に造られた直径約10メートルの円墳。同センターが今年2月まで発掘し、埋葬施設は箱式石棺(長さ95センチ、幅30センチ)と、木棺が収められたとみられる穴(残存長3・2メートル、残存幅1・2メートル)の二つが出土した。

 箱式石棺内からは、子どもとみられる頭頂部や下あごの骨、乳歯を確認。特徴的なのは副葬品で、碧玉(へきぎょく)製の管玉や水晶の切り子玉など約50個の玉を連ねた豪華な首飾りをはじめ、鹿角製の柄を持つ鉄刀2振り、鉄鏃(てつぞく)約20個などが納められていた。

 木棺の穴は、大きさから大人が葬られたとみられるが、人骨、副葬品などは見つからなかった。

 調査で箱式石棺は古墳築造中に据えられ、木棺は完成後に掘って埋められたことが判明。ともに墳丘中心付近に並んで配置されており「当初から2人を葬る予定で、子どもの被葬者が亡くなったのを機に築かれたのだろう」と同センターの四田寛人主事。

 古墳埋葬に詳しい清家章岡山大教授は、古墳中期以降は全国的に武具の副葬を伴う男性被葬者が多くなることや、人骨のサイズ、乳歯から「子どもは10歳未満の男児ではないか。充実した副葬品から集団の中心人物の後継的存在だった可能性がある」と推測する。

 子どもの古墳埋葬は、大人の被葬者と一緒に葬られたり、後に追葬されたりする事例はあるが、子ども自身が中心被葬者になるケースはほとんどないという。木棺の被葬者は「一般的に男子の親、きょうだいなど血縁者と考えられるが、副葬品がないなど不明な点が多い」(清家教授)。

 同センターによると、男児より後に生まれたきょうだいが、大人になった後で葬られるなど、長いスパンで埋葬が行われたケースも考えられるという。

(2020年05月03日 20時52分 更新)

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